2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K07378
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
萩原 英雄 藤田医科大学, 総合医科学研究所, 講師 (80514504)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | pH / 乳酸 / 精神疾患 / モデル動物 / 脳 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに、統合失調症や双極性障害うつ病、自閉症スペクトラム、てんかんなどの神経・精神疾患の病態モデルを含むさまざまな系統/種類のマウス、ラットにおいて、脳のpHと、pHの変化に関わっていると想定される乳酸濃度の測定についてのデータの蓄積を行ってきた。脳のpHおよび乳酸濃度が増加、あるいは減少しているモデル動物がさらに複数種類見つかっていた。今年度、さらに系統数/種類を追加し、日本を含む6カ国、56の研究室、86名の研究者との共同研究として、65系統/種類の遺伝子改変マウスや各種実験操作を施したマウスおよびラットについての結果をまとめ、プレプリントを公表した(Hagihara et al., bioRxiv 2021a; https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2021.02.02.428362v2)。脳のpHは乳酸濃度と非常に高い負の相関を示し、脳での乳酸の増加がpHの低下に関わっていることが示唆された。また、各種行動テストのデータを統合した解析から、脳での乳酸濃度の増加は作業記憶の低下に関連することが示唆された。さらに、乳酸濃度の増加を示すモデルマウスの脳において、タンパク質乳酸化が増加していることを見出した(Hagihara et al., bioRxiv 2021b; https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2021.02.02.428370v2)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の脳タンパク質の乳酸化についての論文(Hagihara et al., bioRxiv 2021b)においては、国際学術誌に投稿し、現在査読中である。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のHagihara et al., bioRxiv 2021aの論文においては、さらにモデル動物の系統数/種類を追加し、早期に査読付き国際学術誌に投稿することを目指す。
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Causes of Carryover |
前述の通り、データの追加および取りまとめを行う。
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