2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of cell therapy using human-derived injury/ischemia-induced stem/progenitor cells
Project/Area Number |
18K07380
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
中込 隆之 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80434950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 俊範 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00452152)
松山 知弘 兵庫医科大学, 医学部, 特別招聘教授 (10219529)
吉村 紳一 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40240353)
久保 秀司 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (10441320)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 脳梗塞 / 幹細胞 / 神経再生 / 細胞移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳梗塞などの脳血管疾患は国内外における死亡原因の上位を占めており、それに伴う後遺症は寝たきりの主要な原因になっている。現在、再生医療の分野では、様々な幹細胞を応用した神経再生療法の開発が注目されているが、本課題では脳梗塞病態時の生体内に誘導され、神経分化能を有する内在性幹細胞 [脳傷害/虚血誘導性幹細胞 (injury/ischemia-induced stem cells; iSCs)] を用い、その細胞移植効果に関する基盤的研究を施行した。具体的には脳梗塞患者の梗塞巣より単離したヒト由来iSCsをGFPなどで標識後、それを脳梗塞マウスに移植し、(1) iSCsが生体内においても機能的な神経細胞に分化し得るかどうか、(2) iSCs移植後の神経機能改善の有無、などを中心にiSCsを用いた臨床応用のための基礎研究を施行した。その結果、移植したヒト由来iSCsは、脳梗塞マウスの梗塞巣周囲に生着しており、一部は神経マーカーを発現していることが分かった。また、生着したGFP陽性細胞数は、細胞移植後の時間経過とともに徐々に減少に転じることが分かった。しかしながら、iSCsによる細胞移植は、運動機能や認知機能をはじめ、様々な神経機能を改善させることが分かった。以上の結果より、細胞移植によって神経機能が改善するメカニズムとしてiSCs自身の神経分化による神経置換作用 (neuronal replacement) 以外に他のメカニズムの関与も考えられたが、その詳細なメカニズムに関しては、今後の検討で明らかにしていく予定である。
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