2019 Fiscal Year Research-status Report
シュワン細胞とがんのクロストークががん細胞形質変化に及ぼす影響の解析
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18K07382
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 雅美 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80434182)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | シュワン細胞 / がん |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はシュワン細胞から遊離され、がん細胞に作用する因子を解析する目的で培養上清を用いてアレイ解析を行ったところ、TGFbeta および neureglin が関与することを明らかにした。そこで、Capan-1細胞の遊走能に対するTGFbeta 阻害薬の効果を検討したところ、シュワン細胞よるCapan-1細胞の遊走能亢進の抑制が認められた。 さらにシュワン細胞とがん細胞の相互作用を探る目的で、シュワン細胞を可視化することができるSOX10 venus マウスに膵臓がん細胞株である PanO2を腹腔内移植することで腹膜播種モデルを作製し、組織学的な解析を行った。これまでの解析では、主にがんによる腹壁の神経障害(シュワン細胞の変化)に着目してきたが、今回は腸管膜に形成される腫瘤を摘出し、観察を行った。その結果、腫瘍が直接接する腸管膜において、SOX10 venus 陽性細胞は凝集し、腫瘍実質内へと浸潤、遊走し、一部の血管の周りに局在していた。また、隣接切片を用いて血管内皮細胞のマーカーである抗CD31抗体を用いて免疫組織染色を行なったところ、SOX10 venus 陽性細胞が局在する血管と局在しない血管をラベルすることが明らかとなった。これらのことから、腸間膜に存在するシュワン細胞は、膵臓がんの腹膜播種巣においてがんによる血管新生に寄与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
出産による研究を中断したため。しかしながら担がんマウスモデルの組織切片の解析から、がんにおけるシュワン細胞の新たな知見を明らかにすることはできた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、腹膜播種巣におけるシュワン細胞の血管形成のメカニズムについてさらなる解析を行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額はわずかではあるがシュワン細胞とがん細胞の相互作用解析に必要な試薬に使用する。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Carboplatin Enhances the Activity of Human Transient Receptor Potential Ankyrin 1 Through the Cyclic AMP-Protein Kinase A-A-Kinase Anchoring Protein (AKAP) Pathways2019
Author(s)
Miyano K, Shiraishi S, Minami K, Sudo Y, Suzuki M, Yokoyama T, Terawaki K, Nonaka M, Murata H, Higami Y, Uezono Y.
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Journal Title
Int J Mol Sci
Volume: 13
Pages: 3271
DOI
Peer Reviewed