2019 Fiscal Year Research-status Report
SEREX法とFACS法を融合させた新手法による神経免疫疾患の網羅的自己抗体検索
Project/Area Number |
18K07387
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
森 雅裕 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (70345023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜沢 顕之 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (10533317)
八木 良二 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任准教授 (20392152) [Withdrawn]
日和佐 隆樹 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任准教授 (30260251)
星野 忠次 千葉大学, 大学院薬学研究院, 准教授 (90257220)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | SEREX / FACS / 神経免疫疾患 / 抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終ゴールである「SEREX法とFACS法を融合させた新手法による神経免疫疾患の網羅的自己抗体検索」に向けて、理化学研究所のバイオリソース研究センター遺伝子材料開発室よりbrainのcDNAライブラリー(プラスミド)を入手した。大腸菌内に挿入された状態であり、LB培地にて大腸菌ごとcDNA量を増やしたのち、cDNA抽出キットにてcDNAを抽出したのち、アガロースゲル電気泳動にてcDNAサイズを確認した。cDNAは特定のサイズの部位のみにあつまることなく幅広いサイズの領域に集まっていることを確認した。今後cDNAライブラリーをエレクトロポレーション法により、HEK293細胞に挿入し、neomycin耐性遺伝子を利用し、G418を用いて細胞選択をする予定である。そのため、様々な濃度のG418でHEK293細胞の選択能を確かめ、細胞選択に適したG418濃度を求めた。 また、これまでに作成した患者リストより抗aquaporin-4(AQP4)抗体・抗myelin oligodendrocyte glycoprotein(MOG)抗体両者陰性視神経脊髄炎の患者の性別、血清採取日、血清採取日の年齢、病型、重症度、再発頻度などの臨床情報をまとめた。さらにserological identification of antigens by recombinant expression cloning(SEREX)法を行うための患者検体を選ぶために、抗体陰性の視神経脊髄炎の中でも再発頻度が高いなど、自己免疫性の機序・自己抗体の存在が強く疑われる患者を抽出し、自己抗体が多く含まれると予想される再発時の急性期血清・髄液検体をまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
serological identification of antigens by recombinant expression cloning(SEREX)法を行うための患者検体を選ぶために、抗体陰性の視神経脊髄炎の中でも再発頻度が高いなど、自己免疫性の機序・自己抗体の存在が強く疑われる患者を抽出し、再発時の急性期血清・髄液検体をまとめる必要があると考えられた。そのため、これまでに作成した患者リストの中から、抗体陰性視神経脊髄炎の患者情報を抽出した他、抗AQP4抗体陽性視神経脊髄炎患者で多発性硬化症患者に対して優位に高値となる炎症性サイトカインのIl-6を血清および髄液で測定した。臨床情報と合わせて、自己免疫性の機序の関与を推測した。 上記作業に時間を必要としたため、HEK293細胞へのcDNAライブラリーの挿入や、その後の患者血清・髄液検体との反応、陽性細胞の分離がまだ進められていない。
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Strategy for Future Research Activity |
抗aquaporin-4(AQP4)抗体・抗myelin oligodendrocyte glycoprotein(MOG)抗体両者陰性視神経脊髄炎の患者の中で、特に自己免疫性の機序が疑われる患者検体を用意する。血清・髄液を上記cDNAライブラリーを挿入したHEK293細胞と反応させる。その後、蛍光標識抗ヒトIgG抗体を用いて標識し、フローサイトメトリー(FACS法)により陽性細胞を分離する。陽性細胞を増殖させたのちにcDNAを抽出し、その後、DNA analyserにより塩基配列を同定する。得られた塩基配列をDNAデータBANKを用いて調べる。発現する物質名、またその役割を特定し、患者検体中の抗体の標的抗原とみなす。同定された抗原タンパク質の三次元構造解析をX線結晶解析ならびにNMRを用いて行い、エピトープ領域を絞り込む。また、AlphaLISA法で多数の血清・髄液検体を用いて、確かに抗体陰性視神経脊髄炎の患者血清・髄液が高い抗体価を有し、他疾患患者・正常対照検体では低い抗体価のみを示すことを確認する。急性期と寛解期での抗体価の推移も確認する。抗原タンパク質をマウスに免疫し、疾患のマウスでの再現に取り組む。臨床的な変化に加え、病理学的な変化の有無を検討する。
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Causes of Carryover |
予定より進捗が遅れているため
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[Journal Article] The accuracy of flow cytometric cell-based assay to detect anti-myelin oligodendrocyte glycoprotein (MOG) antibodies determining the optimal method for positivity judgement.2019
Author(s)
Sugimoto K, Mori M, Liu J, Tanaka S, Kaneko K, Oji S, Takahashi T, Uzawa A, Uchida T, Masuda H, Ohtani R, Nomura K, Hiwasa T, Kuwabara S.
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Journal Title
J Neuroimmunol.
Volume: 336
Pages: 577021
DOI
Peer Reviewed