2019 Fiscal Year Research-status Report
孤発性および遺伝性プリオン病におけるプリオン自発的生成機構の解明
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18K07393
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
今村 守一 宮崎大学, 医学部, 准教授 (10391442)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | プリオン / 孤発性プリオン病 / 遺伝性プリオン病 / PMCA / 試験管内プリオン生成 / 補因子 / 異常プリオン蛋白質 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はプリオン試験管内増幅法であるPMCAを高温(45℃)で行うことで、プリオン非依存的に組換えプリオン蛋白質(PrP)をプリオン様構造であるプロテアーゼ抵抗性PrP(PrPres)へ変換することを示している。昨年度バキュロウイルス-昆虫細胞由来マウスPrP (マウスBac-PrP)に遺伝性プリオン病の原因変異を導入したP101L Bac-PrPは、PMCAによりPrPresに構造変換した場合、プロテアーゼ処理後の分子量が野生型マウスBac-PrPresより大きくなることを示した。本年度はPMCAにより自発生成した野生型マウスBac-PrPresとP101L Bac-PrPresが感染性をもつか否かをC57BL6Jマウスに脳内接種することで検討した。その結果、接種から300日前後で野生型マウスBac-PrPresを接種したC57マウス7匹のうち2匹が発症した。一方、P101L Bac-PrPresを接種したマウスについては、まだ発症は確認されていない。発症した自発生成した野生型マウスBac-PrPresを接種したマウスの脳に蓄積した異常型プリオン蛋白質 (PrPSc)の生化学的性状を調べるため、ウエスタンブロッティングを行った。発症マウスの脳に蓄積したPrPScは非常に微量であり、既知のマウス順化プリオン株PrPScを接種した場合とは明らかに異なっていた。また、既知マウス順化プリオン株PrPScとのバンドパターンの比較は、蓄積量が微量であるためまだできていない。その他補因子のみで再構成したPMCA系でもBac-PrPresの自発生成に成功しており、複数の異なるタイプのBac-PrPresが生成することを明らかにした。それらについても野生型マウスへ接種し、現在経過観察を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は野生型マウスを用いた感染試験を開始し、自発生成した組換えPrPresが感染性を示すことを明らかにした。この結果は本課題にとって大きな進歩である。しかしながら、発症マウス脳に蓄積したPrPScの生化学的、病理学的解析がまだ行なっておらず、また、他の自発生成Bac-PrPresを接種したマウスは発症していない。そのため、全体的な課題の進捗状況はやや遅れているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
課題の進捗はやや遅れているものの、プリオンの自発性に関わる補助的因子の同定もおおよそ終了しており、研究自体は計画した方向に進んでいる。今後、速やかに発症マウスの解析およびを補助的因子の自発生成における役割を検討する。
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Causes of Carryover |
研究の進捗がやや遅れているため、感染マウスの病理学的、生化学的性状解析や補助的因子の解析等はまだ行っていない。次年度これらの実験を行うため、次年度使用額分を使用する。
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