2020 Fiscal Year Research-status Report

大規模な行動解析データの二次利用による行動表現型と遺伝子群の関連解析

Research Project

Project/Area Number	18K07400
Research Institution	Fujita Health University
Principal Investigator	服部聡子 (高井聡子) 藤田医科大学, 総合医科学研究所, 助教 (00415564)
Project Period (FY)	2018-04-01 – 2022-03-31
Keywords	網羅的行動解析 / 大規模データ / データベース / 遺伝子改変マウス
Outline of Annual Research Achievements	生命科学全般において、大規模データの取得・解析・二次利用が身近なものとなってきており、データを取得した研究者以外にも広く利活用できるように公開するオープンデータの取り組みが進められている。このようなデータ共有により、多様な専門分野の研究者が当該研究に関わる機会を提供できる他、種々の観点から生命科学研究の進歩を加速させることが期待されている。本研究にて申請者は、これまでに所属研究室で取得してきた210系統以上の遺伝子改変マウスとその統制群マウス、あわせて数千匹から取得した大規模な網羅的行動解析データを二次利用しやすい形に整備し、データベースにて公開することを目指している。本研究にて整備しているデータは、感覚・知覚、運動だけでなく、情動や記憶学習など高次の機能解析を含む20種類以上のテストから200個以上の行動指標取得している他、ほぼ同一の設備、環境、プロトコルでデータを取得していること等、世界的にも類を見ない貴重なものであり、利用価値は高いと考えられる。本年度は、引き続きデータベースに蓄積する網羅的行動解析データの取得を行うとともに、グラフ表示、検索機能等、データベースの機能拡張のため、構造の改良を行った。また、これまでに取得した行動解析データの類似性から、データ駆動型に系統を分類する方式について開発を進めていた。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 3: Progress in research has been slightly delayed. Reason 本データベースに蓄積している網羅的行動解析データの多くは、支援的共同研究によるものである。本年度は、新型コロナウイルス感染拡大のため、従来実施している共同研究先の実験者の受け入れが行えず、支援的共同研究のデータ解析等にエフォートを割くこととなった。そのため、最終年度であった本研究を延期して、次年度に遂行する予定である。
Strategy for Future Research Activity	次年度は、引き続きデータベースに蓄積する網羅的行動解析データの取得を行うとともに、データベースの構造の改良を行う。これについては、既にデータベース開発・改良を行う委託先と打ち合わせを行い順調に進めている。現状、使用しているデータベースソフトをベースとした構造の改良を行うが、SQLなどの言語を使用したデータベースへの展開等を視野に入れたデータ管理を目指す。また、理化学研究所との共同研究により、本データベースの開発を進めており、データ管理のためのフレームワークやデータベースの機能拡張についても進める。特に、データの検索機能やグラフ化機能の拡充、キュレーションデータの組み込み、新しい系統分類方法の導入等を中心に開発を行い、大規模行動解析データの二次利用を促す。
Causes of Carryover	本データベースに蓄積している網羅的行動解析データの多くは、支援的共同研究によるものである。本年度は、新型コロナウイルス感染拡大のため、従来実施している共同研究先の実験者の受け入れが行えず、支援的共同研究のデータ解析等にエフォートを割くこととなった。そのため、最終年度であった本研究を延期して、次年度に遂行する予定である。次年度は、データベースの開発費用、データベースに関する消耗品（データサーバーの更新・増設）等に予算を使用する。