2018 Fiscal Year Research-status Report
神経筋接合部変化に着目した糖尿病におけるサルコペニア発症メカニズムについての検討
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18K07412
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
栗波 仁美 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (10638555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 研 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (20437403)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 糖尿病 / サルコペニア / 神経筋接合部 |
Outline of Annual Research Achievements |
雄性Wisterラット(12週齢)にストレプトゾトシン(STZ)投与し、高血糖モデル作成を行った。当初STZ投与にても血糖上昇が確認できず、モデルの安定化に手間取ったが、最終的に血糖上昇を認めるようになった。16週齢から血糖コントロール目的にSGLT2阻害剤の投与を行った。当初飲水の中に薬剤を混入したり、粉末状の餌に薬剤を混入したものでは安定した血糖低下が認められず、ペレット状の混餌を作成して投与したところようやく安定して血糖低下を認めるようになった。正常コントロール、糖尿病モデル群、薬剤投与群、糖尿病かつ薬剤投与群の24週齢での採血、下肢筋の採取を行った。 下肢筋における神経筋接合部位の免疫組織染色を行うため、まずサンプルの固定や免疫組織染色を行う上での条件をいくつか設定し至適条件を確定していく作業を行った。現時点ではまだ確定できておらず引き続き条件設定の検討を行っていく。 糖尿病患者において上昇しサルコペニア発症に関連していると考えている血中C terminal Agrin Fragment(CAF)については市販のELISAキットを用いて、ヒト、ラット血清中の濃度の測定を行った。過去に採取されたヒトサンプルでは、サルコペニアおよび糖尿病の患者で高い傾向が示されたが、数が少なく、また正常コントロールにおいてもばらつきを認めたため、ヒトの場合被験者におけるデータ(体重、体組成、身体機能(筋力、歩行速度、バランス機能))との対応の検討が必要と考えられた。臨床研究に関しては65歳以上で血糖コントロール不良(HbA1c7.5%以上が2か月以上持続)といった条件に該当する患者の抽出を行っていった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
安定した糖尿病ラットモデル作成および薬剤投与方法の決定に時間がかかり、予定していた検体数のCAF測定を行うことができていない。また臨床研究の対象者が現時点では予定より少ないため、引き続き患者選定に時間を要す状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
糖尿病ラットモデルを用いた実験においては同モデルを使用する別の実験との協働で行っていくため、今後研究協力を得ながらすすめていくことが可能である。 臨床研究においてもサルコペニア研究グループの協力が得られるため、患者エントリー後は糖尿病治療介入前後における検査がスムーズに行えると考える。
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Causes of Carryover |
当初予定していた検体のELISAが予定数行えず、その分今年度余剰が生じたため、その分次年度にその検査を行っていく予定である。またヒトデータ測定についても予定より多く行う方向であるため、次年度への持越しを希望する。
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