2019 Fiscal Year Research-status Report
鍼刺激で発見したAig1l遺伝子の生物学的機能と鍼治療効果との関連の研究
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18K07414
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高岡 裕 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (20332281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大田 美香 神戸大学, 医学部附属病院, 学術研究員 (20274706) [Withdrawn]
菅野 亜紀 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (20457039)
鈴木 高史 神戸常盤大学, 保健科学部, 教授 (70305530)
奥野 海良人 つくば国際大学, 医療保健学部, 講師(移行) (50623980) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Aig1l / 膜タンパク質 / 鍼灸 / 漢方 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、申請者らが鍼治療効果のメカニズム研究において発見した、マウスAcupuncture-induced 1-L (Aig1l)の機能および鍼治療効果との関連の解明である。この遺伝子は、鍼治療3時間後のマウス骨格筋で我々が発見した。その際、我々は脳を中心とする神経細胞で特異的に発現していることを報告し、鍼治療効果との関連が想定された。Aig1lはSez6lという別名を持ち、そのファミリーであるSez6も含めて、いずれもCUBドメインを有す。このことから、軸索誘導や神経伝達との関係が示唆されている。今回、本研究によりAIG1Lの生物学的機能を明らかにし、鍼治療効果との関連の解明を目指す。 2019年度は、前年度にホモロジーモデリング解析したドメインごとの部分立体構造を用いて順に結合し、全体構造の再構成を試行し、方法を確立した。今年度は細胞膜にAig1lを配置して構造最適化計算を実施し、全体構造を解明する予定である。また、前年度に行ったプライマリーカルチャーにコンタミを生じていたことが判明したため、専門家である茨城県立大学の相良准教授に協力を依頼し、マウスの脳の神経細胞とグリア細胞のプライマリーカルチャーを実施した。これまでにそれらの試料が届いたので、今後Aig1l遺伝子発現解析を行う予定である。これにより、各細胞の正確なAig1l遺伝子発現の状況を明らかに出来る。また組織化学解析は、新型コロナによる実験自粛が終わり次第、実施する予定である。同様の理由で、RNA干渉実験は以上の解析が終わった後に実施したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度は、正確な結果を得るためにマウスの神経細胞とグリア細胞のプライマリーカルチャーについて、専門家の協力も得てやり直した。そして、今年度にリアルタイムPCRによるAig1l遺伝子の遺伝子発現解析を実施する予定である。また、プライマリーカルチャーをやり直した影響で、脳組織の免疫組織化学解析は2020年度実施予定である。さらに2019年度中に、これまでに解析したホモロジーモデリングによる部分三次元構造を順に結合することで、Aig1lタンパク質の全体構造決定に向けたプロセスの目処を立てることが出来た。2020年度には、時間のかかる構造最適化計算を行うことで、その立体構造を解析する。 以上の状況を鑑み、でやや遅れているという区分を選択した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、以下の3項目を確実に実施する。1) マウスの神経細胞とグリア細胞のプライマリーカルチャーの試料を用いて、リアルタイムPCRによるAig1l遺伝子の遺伝子発現解析を実施する。2) 脳組織の免疫組織化学解析は2020年度実施する。3) Aig1lタンパク質の全体構造解析のため、構造最適化計算により立体構造を解析する。
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Causes of Carryover |
3月分の謝金の執行が4月になるため。また、プライマリカルチャーのやり直しなど、研究計画が一部変更されたため。
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[Journal Article] In silico and in vitro analyses of the pathological relevance of the R258H mutation of hepatocyte nuclear factor 4α identified in MODY1.2019
Author(s)
Kenji Sugawara, Kazuhiro Nomura, Yuko Okada, Aki Sugano, Masaaki Matsumoto, Toru Takarada, Atsuko Takeuchi, Hiroyuki Awano, Yushi Hirota, Hisahide Nishio, Yutaka Takaoka, Wataru Ogawa
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Journal Title
Journal of Diabetes Investigation
Volume: 10(3)
Pages: 680-684
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Establishment of the experimental procedure for prediction of conjugation capacity in mutant UGT1A1.2019
Author(s)
Yutaka Takaoka, Atsuko Takeuchi, Aki Sugano, Kenji Miura, Mika Ohta, Takashi Suzuki, Daisuke Kobayashi, Takuji Kimura, Juichi Sato, Nobutaro Ban, Hisahide Nishio, Toshiyuki Sakaeda
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Journal Title
PLOS ONE
Volume: 14(1)
Pages: 1-17
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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