2019 Fiscal Year Research-status Report
高血圧症患者を対象とした遺伝的体質による無症候性脳病変の高精度予測法の確立
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18K07454
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
事崎 由佳 岩手医科大学, いわて東北メディカル・メガバンク機構, 特命助教 (10569578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 真理 岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 教授 (80205864)
佐藤 衛 岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 客員准教授 (90305996)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 高血圧症 / 無症候性脳病変 / MRI / iPGM |
Outline of Annual Research Achievements |
高血圧症は、脳卒中の最大の危険因子である (Arima H, et al. J Hypertens 2009)。高血圧症患者では、脳 MRIにて脳小血管病(small vessel disease)の中間表現型として知られる無症候性脳病変が高頻度に認められる。無症候性脳病変は、ラクナ梗塞、白質病変、微小出血に分類され、いずれも脳卒中の強力な危険因子であり、治療介入の標的として近年注目されている。 高血圧症患者における無症候性脳病変の有無や程度は個人差が大きく、生活習慣などに加え遺伝的要因の影響が指摘されている(Sachdev PS, et al. Stroke 2016) が、画像所見と遺伝情報との関連はほとんど検討されていない。 我々は、従来のgenome wide association study (GWAS) では脳梗塞の遺伝的リスクを有意に予測できないことを確認し、さらに、GWASでは検出できないような弱い効果を持つ多数のコモンバリアントの情報を用いることで疾患の遺伝的リスクを予測する新たなリスク計算手法(iwate polygenic model, iPGM)を開発した(Hachiya T, et al. Stroke 2017)。加えて、iPGMを用いて脳梗塞発症リスク予測法を構築し、高リスク群の脳梗塞発症のオッズ比が1.8~2.0倍という高い予測精度を達成した。 本研究の目的は、疾患の遺伝的リスクの予測モデル(iwate polygenic model,iPGM) を用いて、高血圧症患者を対象とした高精度な無症候性脳病変リスク予測法を確立することである。 2019年1月21日より附属病院循環器内科にてリクルートを開始しており、2019年度も引き続き患者リクルートを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年1月21日より附属病院循環器内科にてリクルートを開始しているが、外来患者層として心房細動の既往歴を有している患者が多かったこと、MRI非対応のステントが入っていること、2019年4月以降は附属病院の移転に伴う、外来患者の地域のかかりつけ医への転院紹介によって外来患者層が変わったこと、また、COVID19感染対策などから患者リクルートが困難を極めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度、附属病院内で患者リクルートを継続する場合、COVID19感染対策を加味した上で検討を行う必要がある。また、対象者の選択基準の緩和、他施設を加えて患者リクルートを実施するといった研究計画の変更を検討することも同時に必要である。
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Causes of Carryover |
患者リクルートが遅延している為次年度使用額が生じている。使用計画としては、患者リクルートにかかる研究施設の見直し、および選択基準の見直しを踏まえた上で、研究遂行を目指す。
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