2022 Fiscal Year Research-status Report
Social Determinant of Health
Project/Area Number |
18K07465
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
山田 正明 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (40377338)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 社会経済的地位 / 職種 / 冠動脈疾患 / 肝機能障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は2016年度に富山県内の1病院にて健診を受診した約2万名の健診データを利用した分析である。R4年度(2022)は社会経済的指標と考えられる企業規模と職種に注目し、生活習慣病に関する健康格差の分析を行い、学会と英文雑誌での外部公表を行った。 冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞)と高血圧、糖尿病の分析では、規模が小さい企業の従業員で冠動脈疾患の有病率が2倍程度多い傾向が見られた。職種では、運輸業の従業員で高血圧、糖尿病が多いことが判明した。次に生活習慣(喫煙と運動習慣)の割合を企業規模別、産業分類別における分析結果について。喫煙状況の企業規模では301人以上の企業に比べて小規模になるほど喫煙率が高かった。産業分類別では、農林漁業、建設業、運輸郵便業、その他サービス(廃棄物処理業、自動車整備工場、機械等修理業、職業紹介など)で高い割合であった。運動習慣がない割合は運輸郵便業、学術研究・専門で高率であった。最後に心疾患のリスクファクターである高血圧、糖尿病について。 全体で高血圧の有病率は31.5%、糖尿病は11.0%であった。産業分類別の分析では高血圧は運輸郵便業、その他サービスに多く、糖尿病は運輸郵便、公務で高い割合であった。中でも運輸郵便業は年齢やBMI、生活習慣を調整しても有意にオッズ比が高いことがわかった。この結果はIndustrial Healthに受理された。 肝障害(ALT、g-GTP高値)に関する研究では、ALT高値は毎日2合以上の飲酒に加えて、電気ガス水道業で有意にオッズ比を認めた。g-GTP高値では、毎日2合以上の飲酒に加えて運輸交通業で有意にオッズ比を認めた。この結果はアジア消化器学会APDW2022で報告した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
分析の点で。英文雑誌での発表を増やすよう努力しているが、職種別に健診対象者を分けると少ない群が多いためモデルが不安定になる傾向にある。職種を細かく分けずに分析する方法を検討している。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度である今年度は、肝機能障害と企業規模と職種分析による生活習慣病の健康格差を分析し、論文を完成させたい。また、社会経済的地位による健康格差研究はコロナの影響で変化していることも考えられ、国内外の学会等において最新の情報収集を行う。
|
Causes of Carryover |
コロナのため現地開催の学会が少なく、最新の健康格差の研究にける情報収集が十分にはできなかった。
|
Research Products
(3 results)