2020 Fiscal Year Research-status Report
がん患者の突出痛治療における予防的オピオイドレスキュー効果の検討
Project/Area Number |
18K07467
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西島 薫 神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (10366354)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木澤 義之 神戸大学, 医学部附属病院, 特命教授 (80289181)
浜野 淳 筑波大学, 医学医療系, 講師 (10709190)
田上 恵太 東北大学, 医学系研究科, 講師 (50813458)
坂下 明大 神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (90514662)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 突出痛 / BAT |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の目的の一つは、がん患者における突出痛(急に強くなる痛み)の頻度とその特徴(サブタイプ、1日の出現回数、痛みのピークまでの時間、痛みの持続時間)を前向き観察研究で明らかにすることである。またもう一つの目的は、突出痛のサブタイプの一つである予測可能な随伴痛(骨転移の動作時痛や、飲食に伴う消化管の痛みなど)に対して、オピオイドレスキュー薬の予防投与の有効性および安全性をプラセボ対照のランダム化比較試験で確認することである。そのために、まずは現在の国際的に標準的な突出痛評価尺度であるBAT(Breakthroughtpain Assesment Tool)の日本語版を開発する準備を行っている。 現在までにBAT韓国語版開発研究を参考に、BAT原版の翻訳および逆翻訳を行い、研究者間で日本語訳に対する議論を収束させた。研究計画書を策定し学内研究倫理審査委員会の承認を得て、まずはBAT日本語版のパイロットテストを10名の突出痛を持つがん患者を対象に実施し、質問票のわかりづらさや答えにくさ等問題が無いことを確認した。 現在はひきつづき突出痛を持つがん患者を対象としてBAT日本語版の妥当性、信頼性、実施可能性を検証している。サンプルサイズは先行文献を元にそれぞれ妥当性100例、信頼性50例、実施可能性50例を設定しており2021年3月から開始しデータ集積完了は9月を目標にしている。データ集積、固定後解析を行い、今年度末までにBAT日本語版を完成させたい。また、BAT日本語版開発中に得られたデータを2次解析し、突出痛のサブタイプや予防的レスキュー薬投与の頻度調査を予定している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究者それぞれが本研究に充てる時間が限られていること。想定より適格基準を満たす症例がやや少ないこと、それにはコロナ禍も影響している可能性が高い。
|
Strategy for Future Research Activity |
BAT日本語版開発研究のデータ集積完了は9月を目標にしている。データ集積、固定後解析を行い、令和3年度末までにBAT日本語版を完成させたい。また、BAT日本語版開発中に得られたデータを2次解析し、突出痛のサブタイプや予防的レスキュー薬投与の頻度調査を予定している。
|
Causes of Carryover |
本年度の実支出額が研究計画進行の遅れにより、物品費など主に直接経費において予定より少なかったため、次年度使用額が生じた。当該助成金は次年度の助成金と合わせてBAT(Breakthroughtpain Assesment Tool)の日本語版の開発研究および突出痛の前向き観察研究に使用させていただく予定である。
|