2018 Fiscal Year Research-status Report
妊婦からのB群溶血性レンサ球菌(GBS)の検出-全自動遺伝子解析装置への応用-
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18K07472
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
三浦 里織 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (00803660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊川 真弘 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (10645443)
志村 浩己 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40303416)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | B群溶血性レンサ球菌(GBS) / 新生児GBS感染症 / ペニシリン低感受性GBS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、より高感度かつ迅速なB群溶血性レンサ球菌(GBS)ユニバーサルスクリーニングの確立とペニシリン低感受性GBS(PRGBS)の検出をモニタリングすることである。 平成30年度は、当院で現在用いられているGBSユニバーサルスクリーニング(GBS増菌培養法)によって検出されたGBS菌株を収集してきた。また、妊婦由来以外のGBS菌株の収集も実施している。収集したGBS菌株の菌種同定確認として、MALDI-TOF MS を行った。 さらに、収集した妊婦由来GBS 70菌株について、セフチジブテン(CETB)ディスク拡散法でペニシリン低感受性GBSスクリーニングを実施した。この結果、PRGBS疑いの菌株について、今後、分子生物学的解析を進めていく方針である。 また、妊婦サンプルや増菌後の培地から直接DNAを抽出し、リアルタイムPCRでGBSを検出するために、サンプルからのDNA抽出を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
GBS菌株収集については現在、継続的に実施しており、菌株解析は徐々に進行している。収集したGBS菌株の菌種同定確認として、MALDI-TOF MS を実施している。収集したGBS菌株については、セフチジブテン(CETB)ディスク拡散法によって、ペニシリン低感受性GBSのスクリーニング検査を実施した。CETBディスク拡散法で阻止円20mm未満であった菌株については、遺伝子解析のためにDNA抽出を行った。これらの菌株についてはMIC値測定(微量液体希釈法)および血清型別を確認する。また、他施設の協力を得て、より多数のGBS菌株を収集する方向で進めている。収集できた菌株については引き続き解析を行っていく。 一方、妊婦スワブ検体、GBS増菌培地からのリアルタイムPCRについては、それぞれの検体からのDNA抽出作業を進めているが、リアルタイムPCRをおこなうに至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
継続的にGBS菌株収集を行い、菌株解析を実施していく。具体的にはCETBディスク拡散法によるPRGBSスクリーニング検査を実施し、そこでペニシリン低感受性GBS疑いのある菌株について、MIC値測定(微量液体希釈法)、血清型別確認、、分子生物学的解析(PBP2X遺伝子のシークエンス解析、アミノ酸置換部位の決定)を行う。 妊婦スワブ検体、GBS増菌培地からリアルタイムPCRで検出する系を確立し、GBSユニバーサルスクリーニング(GBS増菌培養法)でのGBS検出と比較検討を行う。現段階では妊婦スワブからの適切にDNA抽出を行うことが困難な状況であり、これを解決することが、当面の目的となる。
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Causes of Carryover |
平成30年度は菌株収集に時間を要した。今年度は他施設の協力を得て、収集できる菌株数を増加する方向で進めている。 今後、菌株の分子生物学的解析やリアルタイムPCRの構築に必要となる試薬代で研究費を使用する。また、それらの成果を学会発表、論文投稿するための経費を必要とする。
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