2020 Fiscal Year Research-status Report
長期人工呼吸管理下の神経難病者の診療移行と全ライフステージの呼吸評価・介入の構築
Project/Area Number |
18K07478
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
塩田 智美 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70449073)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石垣 景子 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (10366304)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 成人移行 / 呼吸管理 / 慢性呼吸不全 / 人工呼吸 / 全国調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
人工呼吸器の技術進歩により、継続して人工呼吸管理を必要とする先天性、後天性の慢性呼吸不全の患者の予後は近年飛躍的に延長している。一方で現在本邦で生じている問題として、小児科対象を過ぎた患者の呼吸管理の診療移行が円滑に進んでいないこと、生命予後に最も影響する全ライフステージの呼吸管理について、 どの成人内科がどのように介入することが推奨されるのか、指針が確立されていないこと、を提言した。 『神経・筋・呼吸中枢障害難病者は、神経内科医による原疾患の治療と併せ、 呼吸管理についてはまず呼吸器内科医が主導で成人移行を受ける。 その後も地域医療と連携し定期的に包括的な呼吸評価・治療の見直し介入を行うことが推奨される』の仮説を立証することを目的に①診療移行の実態調査と課題を抽出すること、②全ライフステージに渡り、定期的に包括的な呼吸評価を行い、治療の見直し介入をするシステムを構築し、 その効果を検証することを目的とした。 実施状況として、①については、 国内の小児神経内科医への全国アンケート集計施行し、現在データの解析を行っている。②については、代表者の所属施設のなかで、対象者を含めた専門外来(人工呼吸ケア外来)を開始している。今後、より外来のシステムを構築し、呼吸管理内容の変更比率、実態調査で抽出した課題点の改善率、介入後の安定度(救急受診頻度)の変化、予後、介入前後のQOL変化(SF-36)等を検証していく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
全国調査については、倫理申請を得て、全国の対象者にアンケートを実施、回収し、解析を終了し、学会発表を終了した。現在論文作成中である。システム構築については、 小児から成人へのトランジションを行うシステムの構築についても、同様に新型コロナウイルスのパンデミックにより、新規受診者の減少、各種生理検査の実施抑制、現在通院中の患者も一時的に遠隔診療に切り替えていることもあり、諸々の検査も実施が困難な状況であり、遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
全国調査について論文完成を目指す。小児から成人へのトランジションを行うシステムの構築についても、同様に新型コロナウイルスのパンデミックにより、新規受診者の減少、各種生理検査の実施抑制、現在通院中の患者も一時的に遠隔診療に切り替えていることもあり、本年も継続して取り組む。一方で新たに、小児科、歯科口腔外科との同主旨の共同研究も開始となり、2つの研究により本臨床課題に取り組んでいく。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染パンデミックによる研究の遅延
|
Research Products
(1 results)