2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K07479
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
金高 秀和 東京医科大学, 医学部, 講師 (90385021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽生 春夫 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (10228520)
清水 聰一郎 東京医科大学, 医学部, 講師 (10385031)
高田 祐輔 東京医科大学, 医学部, 助教 (20449193)
平尾 健太郎 東京医科大学, 医学部, 講師 (40516639)
櫻井 博文 東京医科大学, 医学部, 教授 (60235223)
馬原 孝彦 東京医科大学, 医学部, 客員教授 (70266477) [Withdrawn]
佐藤 友彦 東京医科大学, 医学部, 助教 (70421071)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Alzheimer病 / Sarcopenia / 糖尿病 / フレイル |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病性認知症におけるSarcopeniaの進行を調査するために、まず既存の認知症についての研究を行った。 当院物忘れ外来を受診したAlzheimer病(AD)患者のうち、研究参加への同意を得られた285人を対象とし、中間調査を行った。AD患者を、早期AD(MMSE 27-24)、軽度AD(MMSE 21-23)、中等度AD(MMSE ≦20)の3群に分類した。まずSarcopeniaの有病率を調べた結果、早期ADでは女性36%、男性41%で早期から高かったが、中程度ADでは女性60%、男性47%と病期の進行とともに上昇していた。また、ADの病期によって上下肢の筋力、筋肉量の変化には相違が見られた。特に下肢の筋力低下と歩行速度の低下は、ADにおける初期の非認知症的特徴として重要であった。 統計解析の結果、年齢、BMI、およびMMSEスコアが、Sarcopenia の危険因子として有意であった。特に女性群では、上肢および下肢の筋肉量の低下なしに筋力が低下していることが分かった。さらに早期および軽度ADの段階でも歩行速度の低下が見られることも判明した。従って、早期にこれらの症状を発見することによって、認知症の早期診断につながる可能性が示唆された。以上より、高齢認知症患者の介入と適切なケアを考慮するためには、上肢と下肢筋力、および歩行速度の改善が重要で、今後の介入研究において、特に注目すべき点と考えられた。 糖尿病(DM)、高血圧、脳血管疾患、慢性閉塞性肺疾患、心不全、骨粗鬆症などの慢性疾患は、筋肉減少症と関連していることは以前から報告されている。今後は、DMのみならず併存疾患とSarcopeniaとの相関を調べ、糖尿病性認知症とADの違いについて研究を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Alzheimer病(AD)患者のSarcopeniaの有病率を調べた結果、早期から高く、AD病期の進行とともに上昇していたことが分かった。 また、統計解析の結果、年齢、BMI、およびMMSEスコアが、Sarcopenia の危険因子として有意であることが明らかになった。特に女性群では、上肢および下肢の筋肉量の低下なしに筋力が低下していることが分かった。さらに早期および軽度ADの段階でも歩行速度の低下が見られることも判明した。 従って、早期にこれらの症状を発見することによって、認知症の早期診断につながる可能性が示唆された。以上より、高齢認知症患者の介入と適切なケアを考慮するためには、上肢と下肢筋力、および歩行速度の改善が重要で、今後の介入研究において、特に注目すべき点と考えられた。 以上の結果を学会報告および論文としてまとめることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
糖尿病性認知症(DrD)は糖尿病(DM)を伴う認知症の約10%を占めると推定され、今後の患者数が増加することが予想されている。 しかしながら、DrDの背景病理は単一では説明できないため、画一的な治療法は未だ確立されていない。引き続き、従来の研究を発展させ、DrDの有効な治療法を探索することを目的とする。 今後は、特にDM併存のAlzheimer病と、DrDの異なる機序に着目して、研究を行う方針である。
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Causes of Carryover |
多数の患者データ収集と解析が行われた。しかし、外来の使用額が予定見込みより減少した。また学会発表に関連する費用や旅費などが当初の予定より少なかった。 次年度は学会における研究発表、とくに国際学会における研究発表を予定しているため予算を転用する。
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Research Products
(4 results)