2019 Fiscal Year Research-status Report
Investigation on methods of intervention in sleep disorder improving QOL of diabetes patients
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18K07481
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
弘世 貴久 東邦大学, 医学部, 教授 (40384119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊代 尚記 東邦大学, 医学部, 准教授 (20535207)
鴫山 文華 東邦大学, 医学部, 助教 (70808188)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 2型糖尿病 / 睡眠障害 / アンケート調査 / 生活の質 |
Outline of Annual Research Achievements |
当院に通院中の2型糖尿病患者を対象に、睡眠習慣と生活の質についてアンケートを用いた調査を終了した。 2018年度に当院倫理委員会(承認番号:M18092)より承認を得た方法によりアンケート調査を行った。アンケート調査は20歳から80歳の男女を対象とした。すでに睡眠薬の使用をしている患者は除外した。血糖コントロール状況はHbA1c6-10%とし、著明高血糖の患者は除外した。糖尿病治療薬の使用状況に制限は設けていない。担癌患者、ステロイド使用中の患者、急性疾患を有する患者、教育入院などからの退院後12週未満の患者、認知症患者、2型以外の糖尿病は除外した。上記基準を満たす当院通院中の全ての2型糖尿病患者約500名のアンケートを回収した。アンケート不備、除外基準患者などを除外した結果、最終的には380人のアンケートを解析対象とした。 登録期間は当初2018年10月に終了予定としていたが倫理員会の承認が遅れたこと、多数の外来患者を診察中に行うアンケート調査であることなどから具体的はアンケート実施総数は現状で約およそ10か月の遅れとなった。使用したアンケートは睡眠状況についてはピッツバーグ質問票、朝型夜型調査紙、睡眠学会が提唱する睡眠アンケートを用いている。加えて生活の質の評価には、SF-36を使用。どれも世界的に評価されている質問票である。睡眠障害には、客観的な睡眠障害と主観的な睡眠障害、極端な朝型と夜型など、様々な状態が存在するため、上記3つのアンケートを併用し、詳しく分類して検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当院に通院中の2型糖尿病患者を対象に、睡眠習慣と生活の質についてアンケートを用いた調査を終了した。申請段階での目標は昨年度中に終了という予定であったが、外来診療中のアンケートであるため、臨床的な要因(個々の患者の都合、解答不備による再提出の依頼など)から目標症例数完遂に予想以上に時間を要した。またアンケート調査を行うにあたって当院倫理委員会の承認が予想より遅れたことも進捗がやや遅れている理由である。 具体的にはアンケート実施総数は現状で約500症例をほぼ達成した。最終的な解析対象となる患者数は380名となりその後は順調に解析が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
解析中のデータはまだ未発表(本年度日本糖尿病学会総会にて発表予定)であるが現状では2型糖尿病において、若年層における主観的睡眠の質の低下(ピッツバーグ睡眠調査票の得点)が明らかとなっている。若年層における主観的睡眠の質の低下を説明する因子として、BMI高値、男性、長い罹病期間などが挙げられたため今後多変量解析により交絡因子を取り除く予定である。BMIの高値は2型DMでは診断の有無に関係なくOSASの有病率が高くBMIの上昇に伴いその有病率が上昇する事が報告されている。今回OSASは元々除外因子となっているが、若年層における主観的睡眠の質の低下の背景に本人の自覚のないOSASの存在が疑われる。そこで、最終年に予定していた介入試験については一般的な睡眠指導よりむしろ呼吸法などの指導が重要であると考える。睡眠障害の診断(PSQI ≧6点)に至った2型糖尿病患者は98名(25.8%)であった。これらの患者を対象に半数例には一般的な食事指導と睡眠指導に加え、呼吸法の指導を行い、対象群には一般的な食事指導のみを行い両群における睡眠状況、血糖コントロール状況を比較検討する。
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Causes of Carryover |
本年度はほぼ予定通りの使用額であったが、36391円が端数となったため次年度に繰り越し使用予定である。次年度の使用計画としては以下の通りである。 まず、アンケート結果を学会発表(学会参加費、交通費など使用)、論文発表(論文作成費用;校正や投稿費用に使用)に持っていく。最終年度に予定していた介入試験については一般的な睡眠指導よりむしろ呼吸法などの指導が重要であると考えている。睡眠障害の診断に至った98名(25.8%)の患者に対し半数例には一般的な食事指導と睡眠指導に加え、呼吸法の指導を行い、対象群には一般的な食事指導のみを行い両群における睡眠状況、血糖コントロール状況を比較検討する。再度のアンケート調査やデータ解析等を行う必要があり、これまでと同様にアンケート調査費用、研究遂行のための人件費として使用する予定である。
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