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2018 Fiscal Year Research-status Report

PMCA法を用いた視床型クロイツフェルト・ヤコブ病の病態解明に関する研究

Research Project

Project/Area Number 18K07490
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

竹内 敦子  東北大学, 医学系研究科, 助教 (00535239)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywordsクロイツフェルト・ヤコブ病 / プリオン / in vitro増幅法 / 視床型クロイツフェルト・ヤコブ病
Outline of Annual Research Achievements

我々はヒト胎児腎細胞由来浮遊293細胞に大量発現させたヒト型リコンビナントPrPcを基質として用いるcell-PMCA (cPMCA) 法により、孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病 (sCJD)のうち、視床型クロイツフェルト・ヤコブ病 (sCJD-MM2T)のプリオンを高効率に増幅することに成功した。そこでこれまでsCJD-MM2Tについて解析することが困難であった解明すべき点の1つとして家族性プリオン病である致死性家族性不眠症 (FFI) との関連について解析した。sCJD-MM2Tは致死性孤発性不眠症と呼ばれるなど非典型的かつFFIとよく似た病理像を示すため、cPMCA法における増幅プロパティの比較によってFFIプリオンと同一のプリオンであることを明らかにすることが目標の1つであった。この目標を達成するに当たり、まずFFIには病態の全く異なる2つのタイプがあることに着目した。当研究室におけるノックインマウスを用いた感染実験の結果により、この2つのタイプのFFIが全く異なる感染性を持つことが明らかとなっていたことから、cPMCA法による増幅効率の比較を行った。その結果、その増幅効率FFIのタイプはそれぞれ全く異なっており、増幅が可能であるのは病理学的に下オリーブ核に顕著な病変を持つFFIプリオンのみであることが明らかとなった。この結果をもとにsCJD-MM2T症例についてもcPMCA法による増幅を行ったところ、FFI同様下オリーブ核病変を有するsCJD-MM2T症例が顕著に増幅された。一方そのほかのsCJDプリオンは増幅されず、結果的に下オリーブ核病変を引き起こすプリオンのみが特異的に増幅されることが明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

予定していたFFIおよびsCJD-MM2T症例についてはすべての解析が終了し、下オリーブ核病変の有無がPMCAにおける増幅効率を決定する重要な因子であることが明らかとなった。本年度はそのほか我々の保有するCJD症例150例程度の増幅実験も並行して行ってきた。今後これらの症例はまだ増える予定である。その一方で、sCJDにおいてMM1やMM2CとMM2Tが併発している症例に関しての解析も進行しており、複数のプリオンが混在している状況下であっても、下オリーブ核病変を引き起こすsCJD-MM2Tプリオンが特異的に増幅される結果を得ている。また、FFIとsCJD-MM2Tプリオンには感染性、増幅効率の異なるプリオンが複数存在している可能性が示唆されるなど、当初予定していた以上に解析は進捗している。

Strategy for Future Research Activity

今後は下オリーブ核病変に着目し、孤発性のみならず遺伝性のMM2プリオンについてもcPMCA法による増幅を行い、下オリーブ核病変を引き起こすプリオンが広く併発している可能性について解析する。並行して、FFIおよびsCJD-MM2Tプリオンの脳内分布を明らかにするため、cPMCA法による定量的評価法の確立を目指す。現時点でFFIおよびMM2Tプリオンは、100万倍希釈した患者脳からもPMCA法で増幅、検出が可能であり、脳の部位によってその検出現界には差があることが明らかになりつつある。下オリーブ核や視床の病変が典型的なFFIおよびsCJD-MM2Tでは特徴的であるが、これまではその異常プリオンの蓄積量の少なさからウェスタンブロッティングでも検出はできなかった。今回PMCA法による高効率な増幅が可能となったことにより、脳の複数部位が入手できるFFIおよびsCJD-MM2T症例について、各部位ごとの検出限界の違いから異常プリオンタンパク質の量を比較できるかどうか検討する。現時点で3-4例、複数部位を使用できる症例を確認したので、順次これらの患者脳を用いて解析を進める。

  • Research Products

    (1 results)

All 2019

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] A domain responsible for spontaneous conversion of bank vole prion protein.2019

    • Author(s)
      Kobayashi A, Matsuura Y, Takeuchi A, Yamada M, Miyoshi I, Mohri S, Kitamoto T
    • Journal Title

      Brain Pathology

      Volume: 29 Pages: 155-163

    • DOI

      10.1111/bpa.12638

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2019-12-27  

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