2019 Fiscal Year Research-status Report
The effect of Immune checkpoints in myasthenia gravis and application of its to new therapeutic medications
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18K07494
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| Research Institution | Kanazawa University |
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Principal Investigator |
岩佐 和夫 金沢大学, 医学系, 准教授 (10345613)
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2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 重症筋無力症 / 骨格筋 / 免疫チェックポイント分子 / PD-L1 / 可溶性免疫チェックポイント分子 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
重症筋無力症における免疫チェックポイント分子の関与について明らかにすることを目的としている。これまでの研究で得られた、重症筋無力症骨格筋における免疫チェックポイント分子（PD-L1）のｍRNA発現の亢進、免疫組織染色において示された骨格筋でのPD-L1蛋白の発現亢進および重症筋無力症骨格筋におけるPD-L1の発現量が重症筋無力症の重症度と関連していることを明らかにした研究結果を、第24回 世界神経学会（ドパイ）にて発表を行い、結果を啓発するとともに、研究の問題点や今後の課題について討議をしてきた。この中で、骨格筋においてPD-L1の発現が亢進していても免疫系に与える影響は限局的であり、重症筋無力症の病態にPD-L1が影響を与えるのであれば、広く免疫系に作用する必要があるとの指摘をうけた。重症筋無力症におけるPD-L1の影響を更に検討するため血清中の可溶性PD-L1（ｓPD-L1）の測定を行った。重症筋無力症 21例、正常対象22例についてｓPD-L1値と発症年齢、MGFA分類、QMGスコア、MG-ADLスケール、抗アセチルコチン受容体抗体価との関連について調べた。その結果、重症筋無力症では、正常対象と比べ有意にｓPD-L1濃度が高く、その濃度は発症年齢と正の相関を認めた。また、重症筋無力症患者において、血清中のｓPD-L1濃度が高い症例ほど重症筋無力症症状の改善が期待できる可能性が示された。また、重症筋無力症における免疫チェックポイント分子に対する抗体の測定法を開発した。少数例の検討では、重症筋無力症において、免疫チェックポイント分子に対する抗体の存在の可能性が示された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
重症筋無力症骨格筋において、免疫チェックポイント分子（PD-L1）の発現が蛋白レベルおよびmRNAレベルで亢進していることを証明し、国際学会および英語論文にて発表を行った。
免疫チェックポイント分子は、免疫機能の調整分子として重要な因子であり、自己免疫疾患における発症抑制に関与していることが明らかになっている。令和1年度は、重症筋無力症の骨格筋におけるPD-L1の発現亢進の証明に引き続き、血清中の可溶性PD-L1濃度と重症筋無力症の重症度との関連について検討した。この結果、骨格筋におけるPD-L1の発現亢進のみならず、血清中の可溶性PD-L1濃度も重症筋無力症では高くなっており、重症筋無力症の重症度や治療反応性に影響を与えている可能性を示すことができた。可溶性PD-L1が骨格筋由来であると仮定すると、重症筋無力症では骨格筋を介した自己免疫抑制作用が働いている可能性を示したものと考えられた。また、重症筋無力症における免疫チェックポイント分子に対する抗体の測定法を開発した。少数例の検討では、重症筋無力症において、免疫チェックポイント分子に対する抗体の存在の可能性が示された。
この研究結果は、MGの新たな病態を発見したこととなり、今後のMGの治療法の開発にも有用な結果になると考えられ、この研究の進捗は順調であると判断される。
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| Strategy for Future Research Activity |
可溶性免疫チェックポイントはPD-L1以外にも、PD-1、PD-2,PD-L2が知られており、これらの分子においても免疫系の調整に関わっている可能性がある。重症筋無力症における可溶性PD-L1の関与をより明らかにするためには、可溶性PD-1、PD-2,PD-L2の測定も行い、それぞれの血中濃度と重症筋無力症の病態の関連について検討を行う必要がある。
今後、重症筋無力症患者の血清において、PD-L1以外の免疫チェックポイント分子濃度についても調べ、免疫チェックポイント分子と重症筋無力症の病態との関連を明らかにする。
また、昨年度の研究では、少数例での検討ではあるが、重症筋無力症患者の血清中に免疫チェックポイント分子に対する自己抗体が存在する可能性が示された。今後、多数例における重症筋無力症やコントロールの免疫チェックポイント分子に対する自己抗体の測定を行うため、測定系を安定させるための研究計画を方策する。免疫チェックポイント分子の発現やこれらに対する自己抗体の発現が、重症筋無力症の病態に関与することを明らかにし、重症筋無力症の治療につながる研究の方策を練り上げていくものとする。
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Research Products
(2 results)
