2018 Fiscal Year Research-status Report
根治療法の切り札アミロイド・ブレイカー開発とそれを用いた毒性メカニズム探求
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18K07502
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
植田 光晴 熊本大学, 病院, 講師 (60452885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水口 峰之 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 教授 (30332662)
山中 邦俊 熊本大学, 発生医学研究所, 准教授 (90212290)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アミロイドーシス / トランスサイレチン / アミロイド・ブレイカー / 薬剤スクリーニング / Drug repositioning |
Outline of Annual Research Achievements |
高いアミロイド形成性を有するトランスサイレチンC末端側ペプチドを用いて、培養細胞上でアミロイド形成を行いトランスサイレチンアミロイド形成実験モデルを確立した。マルチウエルプレートを用い、IN Cell Analyzerを「アミロイド・ブレイカー」作用を持つ化合物のスクリーニング法を確立した。「アミロイド・ブレイカー」作用を持つ新規薬剤を開発するため、off-patent医薬品ライブラリー(約1,200種)を用いたスクリーニングを行い2つの化合物候補(0-1と3-1)が得られた。0-1, 3-1共に、トランスサイレチンアミロイド線維を分解する作用が確認できた。0-1と3-1に共通した構造は確認されなかった。0-1と3-1共に、すでに形成されたアミロイド線維も分解する作用を有することが確認できた。 培養細胞上で実験的にトランスサイレチンアミロイド形成させると、炎症やアポトーシスに関連する分子の発現を誘導した。特に、ICAM-1, VCAM-1や各種のケモカインの発現誘導が確認された。さらに、アミロイド沈着を形成させることで、細胞増殖を促す効果も確認できた。 トランスサイレチンC末端側を発現させたトランスジェニック線虫では、体壁筋でトランスサイレチンの凝集物沈着を認め、運動能の低下や寿命の短縮効果が確認された。本線虫モデルは、トランスサイレチンアミロイドーシスの治療薬開発に有用と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アミロイド・ブレイカー候補薬の効果が確認された。また、トランスサイレチンアミロイドの沈着により培養細胞上で生じる病態変化も明らかになりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
独自のトランスサイレチンアミロイド形成実験系を活用し、今後も「アミロイド・ブレイカー」の開発に向けて検討を継続する。また、異なる薬剤ライブラリーを用いて更なる治療薬のスクリーニングにも取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
TTR C末端側によるアミロイド線維の詳細な構造解析と候補薬によるアミロイドブレイカー作用の詳細な解析を次年度に実施するため、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(22 results)