2020 Fiscal Year Research-status Report
ミエリンマップ法を用いた多発性硬化症における髄鞘病理の画像解析
Project/Area Number |
18K07508
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中原 仁 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (60537950)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多発性硬化症 / ミエリンマップ |
Outline of Annual Research Achievements |
多発性硬化症(MS)は若年成人の中枢神経系を侵す脱髄疾患であり、本邦でも患者数が増加の一途を辿っている。MSの主たる病理は炎症性脱髄であるが、造血幹細胞移植等により炎症を完全に封じ込めてもなお、MSは悪化し得ることが最近報告されており、慢性脱髄が一因となる神経変性がその原因として考えられている。一般にMS患者の髄鞘再生能力は低下しているが、個人差も認められる。髄鞘再生医薬の臨床試験も国外で開始されている中、MSにおける髄鞘再生と長期予後 の関係を明らかにすることは極めて重要である。一般臨床に使用されているMRIでは髄鞘再生は可視化困難であるが、申請者らは髄鞘を特異的に可視化するMRI撮像法「ミエリンマップ法」を2016年に開発した。本研究ではこの新技術を用いて、MS患者の髄鞘再生能力と、長期予後の関係を解析し、今後のMSの治療戦略における髄鞘再生医薬の意義を明確にすることを目的とする。 上記目的を達成するには、MS患者のミエリンマップと臨床症状の推移を長期に追跡し分析することが必要となる。2020年度末までに約100名のMS患者に本研究に参加同意を得ており、定期的なミエリンマップの撮影と臨床症状の確認を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
約100名の患者から同意を得て、定期的なデータ蓄積を行っており、当初計画の通り順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きより多くの患者から同意を取得し、本研究に必要なデータ蓄積を進捗させる。
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Causes of Carryover |
データが集積したところでひとまとめに解析を行う方針としたため、解析にかかる諸経費の支弁が先送りとなっているが、今後解析に際して支弁する予定である。
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[Presentation] q-Space Myelin Map法を用いたナタリズマブ投与下多発性硬化症の髄鞘動態解析2020
Author(s)
関口耕史, 久冨木原健二, 浅倉颯人, 北川賢, 谷川万里子, 畑純一, 鈴木重明, 藤吉兼弘, 藤原広和, 陣崎雅弘, 中村雅也, 岡野栄之, 中原仁
Organizer
日本神経免疫学会
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