2019 Fiscal Year Research-status Report
光操作とiPS細胞を用いたパーキンソン病に対する自律調節性神経細胞移植療法の開発
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18K07509
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
大山 彦光 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00407256)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ドパミン / 光遺伝学 / iPS細胞 / 移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、興奮・抑制が制御可能な光遺伝学(Optogenetics)の技術を応用した、ドパミン放出調整が可能な人工多能性幹細胞(iPSC)由来ドパミン神経細胞を移植し、PD症状の電気生理学的バイオマーカーである局所フィールド電位 (Local field potential; LFP)に応じて、ドパミン放出を自律的にコントロールするパーキンソン病(PD)の自律調節性神経細胞移植療法の開発を目指した。フィーダーフリー条件で培養されたヒトiPSCをドパミン神経細胞へ誘導する技術を用いてドパミン神経細胞へ分化させ、青色光で脱分極させるChannelrhodopsinと、黄色光で過分極させるarchaerhodopsinを、ウイルスベクターを用いて発現させ、光反応性ドパミン神経細胞を樹立した。次に、PD・ジスキネジアモデルマウスにおける光反応性iPSC由来ドパミン神経細胞のドパミン放出の評価と、行動評価を行った。本年度は、主にドパミン神経細胞の光反応性の条件を検討した。光反応性ドパミン神経細胞をcell sorting で回収することで、光反応性を高め、Microelectrode arraysを用いて、分化させた神経細胞の自発電気活動が、光刺激によって活動性が上昇することを確認した。次年度は、これまで樹立した、光反応性ドパミン神経細胞を用いて、、PD・ジスキネジアモデルマウスの基底核(視床下核および淡蒼球)に記録電極を挿入しLFPの変化を測定し、オフの指標であるβバンドおよびジスキネジアの指標であるγバンドの強さと、運動症状の相関を調べ、それを基に、運動症状改善に必要な光制御を行うための光刺激強度とLFP信号の関係の検討を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで、ヒトiPSCへ、ウイルスベクターをもちいて、光蛋白を発現させる条件の検討を行い、光刺激に良好に反応する光反応性ドパミン神経を樹立することができた。さらに、iPSC由来ドパミン神経細胞移植と、行動評価も完了しており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はこれまで樹立した、光反応性ドパミン神経細胞の品質管理を行いつつ、PD・ジスキネジアモデルマウスの基底核(視床下核および淡蒼球)に記録電極を挿入しLFPの変化を測定し、オフの指標であるβバンドおよびジスキネジアの指標であるγバンドの強さと、運動症状の相関を調べ、それを基に、運動症状改善に必要な光制御を行うための光刺激強度とLFP信号の関係の検討を進めていく。
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Causes of Carryover |
研究室内で共用の試薬などを用いて、試薬の購入を節約できたため、使用額がやや計画よりも少なかった。次年度はやや試薬の使用が増えることが予想されるため当初の予定通り使用していく。
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