2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an innovative biomarker for muscle cell damage
Project/Area Number |
18K07516
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
砂田 芳秀 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00240713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西松 伸一郎 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (20222185)
藤野 雅広 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (50633856)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 筋疾患 / 筋ジストロフィー / 心疾患 / 急性心筋梗塞 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
筋疾患と心疾患の迅速診断は治療選択と予後に重要な情報を提供する. とりわけ心筋梗塞の迅速診断は生命予後を左右するため不可欠である.これまで50年以上血清クレアチニンキナーゼ(CK)がバイオマーカーとして使われてきたが、甲状腺機能低下症などの筋疾患・心疾患以外の病態においても上昇し特異性は低い.さらに心筋梗塞発症時には直ちにCKが上昇せず、その時間差は生命予後の障壁となっている.この障壁を克服するため、鋭敏かつ簡便に臨床応用できる筋疾患・心疾患の革新的血中バイオマーカー開発が待望されている.本研究は、筋疾患と心疾患、とりわけ心筋梗塞超急性期に骨格筋特異的蛋白質Xが、末梢血に出現するという発見(国際特許;WO/2017/094837)をシーズとして、その革新的バイオマーカーとしての臨床POC取得を目標とする.これまでに、ヒト蛋白質X蛋白質の3つの抗原決定基に対する抗体をそれぞれ3種類、合計9種類作成した.いずれの抗体も①哺乳類細胞発現リコンビナント蛋白質Xに反応、②マウス骨格筋粗分画に反応、③免疫組織染色ではマウス骨格筋鞘膜に染色性を認め、④血液干渉について条件設定が必要なことが明らかとなった.ELISAキットについては捕捉抗体・認識抗体の組み合わせの最適化が達成され、蛋白質Xの定量が可能となった.このため、急性心筋梗塞患者の血液検体の定量を実施し、超急性期の血中動態を詳細に解析している.また簡易定性イムノクロマトキット作成のため、捕捉抗体・認識抗体・担体の組み合わせについて条件を検討している.まずELISAキットによって、診断有用性の高い対象筋疾患・心疾患を絞り込み、分析的妥当性及び臨床的有用性の臨床POC取得に向け臨床性能試験を実施することを目標とする.次いで、心筋梗塞超急性期診断・治療選択を可能とする血中蛋白質Xイムノクロマト簡易迅速診断キットを開発し、国際展開を目指す.
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