2019 Fiscal Year Research-status Report
可塑性異常に着目したパーキンソン病磁気刺激治療の最適化
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18K07521
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
濱田 雅 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40708054)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / 可塑性 / 経頭蓋磁気刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の核心をなす学術的「問い」は、可塑性異常がその症状発現の中心にあるという仮説のもと、パーキンソン病(PD)の磁気刺激治療効果は可塑性異常の改善によるのか?である。もし可塑性異常の改善が、磁気刺激治療の基本的な機序であるならば、個々の患者において可塑性を指標に最も効果的な刺激・治療法の選択か可能になるのではないかと考えて研究を粉っている。 今年度はパーキンソン病における磁気刺激効果が本当に行動指標へ影響し得るかという検討を行うため、実臨床で頻用されている運動症状スケール(UPDRS)のうち、手と腕の運動について3Dモーションキャプチャーを用いて定量的に解析ができるような測定系を確立するための基礎的実験を行った。従来報告ではパーキンソン病において特徴的な振幅の減衰が認められるとされるが、我々のおこなった予備的検討では必ずしも再現されなかった。また手のタッピング動作以外の腕の回内回外運動ではいくつかの特徴的なパターンが観察された。これらは従来の知見では認められなかった発見であり、今後さらにその原因と分析を進めていく予定である。 また、補足運動野ではなく前補足運動野の磁気刺激による可塑性誘導が視覚運動系列課題を可変させることを論文にて発表した。さらに可塑性誘導の機序の解明として、theta burst stimulation(TBS)の前後で刺激細胞集団の特性を検討し、TBSは刺激部位の刺激応答特性を可変させていることを発見し論文に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初パーキンソン病患者のリクルートがやや遅れていたものの、その後順調にリクルートが行われるようになり研究自体はおおむね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
パーキンソン病患者における客観的運動症状測定系の実験を継続している。また最終年度には可塑性誘導による行動指標に対する影響を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
当初、予定していた被検者数よりも少人数にて今年度は実験が終了したため、予定していた被検者謝金に残額が生じたことが主な理由である。なおそれであっても被検者数は十二分に確保できている。
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Research Products
(15 results)