2018 Fiscal Year Research-status Report
Leaky Gut syndromeを標的とした多発性硬化症病態の解明と治療開発
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18K07525
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木下 允 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (10573222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 幹人 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (30817507)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 多発性硬化症 / Leaky Gut Syndrome / 臨床データベース / 糞便菌叢メタゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
腸内環境が脳内炎症環境と密接に関係することが近年の研究から明らかとなっており、Brain-gut-Axisと呼ばれている。腸内細菌叢および食事成分が免疫系や直接的に脳内グリア細胞に作用することでこのような影響はもたらされ、腸管内と自己を隔てる腸管透過性の制御が重要である。外界と自己の境界を形成する腸管上皮バリアの脆弱性(Leaky Gut Syndrome)が様々な疾患の慢性炎症増幅に重要な役割を果たしていることが推測されており、本研究では腸管上皮バリアに注目した自己免疫制御という観点からLeaky Gut Syndromeをターゲットとした多発性硬化症病態制御を目指している。本研究は多発性硬化症患者におけるLeaky Gut Syndrome解析と、多発性硬化症動物モデルを使用した腸管バリア解析を行うことを主眼としている。本年度は、多発性硬化症患者におけるLeaky Gut Syndromeの臨床的解析を軸に研究推進を行った。具体的には多発性硬化症患者の血清バンクの構築と、疾患活動性マーカーのデータベース構築、さらには多発性硬化症患者の糞便菌叢メタゲノム解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の主軸の一つとして多発性硬化症患者におけるLeaky Gut Syndromeの臨床的解析を設定しており、本年度では多発性硬化症進行ステージ毎の血清バンク構築を完了している。具体的には再発寛解型、二次進行型、良性型多発性硬化症である。また今後血清中leaky Gut Sydnromeマーカーと多発性硬化症疾患活動性指標の相関解析を行うための臨床データベース構築および血球PBMCのバンク構築も終了している。臨床的疾患活動性指標としては、年間再発率・EDSSスコア・頭部MRI画像上の病変数・造影病変数などを主に網羅しており、一部の血球PBMCは凍結後再培養し、炎症性サイトカイン産生パターンから免疫関連T細胞サブセット解析も進めている。また患者糞便菌叢解析はメタゲノム解析により血清中leaky Gut Sydnromeマーカーとの相関評価が可能なデータ解析を推進しており、本年度の進捗状況は当初の計画に沿ったものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降では、構築した血清バンク検体のLeaky Gut Syndromeバイオマーカー測定を行い、本年度構築した臨床データベースおよび糞便メタゲノム解析結果との相関解析を行う。さらには、本研究のもう一つの主軸である多発性硬化症動物モデルを使用した解析も次年度は展開する予定であり、具体的には多発性硬化症モデルマウス(EAEマウス)血清中の抗腸内細菌抗体のプロファイル解析を行う。
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Causes of Carryover |
本年度では、臨床情報データベースの構築を主体としていたため多発性硬化症モデル動物解析に必要な使用予定額は次年度に使用する予定である。
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