2018 Fiscal Year Research-status Report
生体恒常性センサーである単球系細胞の制御に基づく神経変性疾患の画期的な治療法開発
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18K07531
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
竹内 英之 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (30362213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 宏 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (10326035)
田中 章景 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (30378012)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 神経変性疾患 / 単球系細胞 / ミクログリア / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、アルツハイマー病および筋萎縮性側索硬化症(ALS)のモデルマウスを用いて、神経変性疾患の病態における神経系・免疫 系・血液系の単球系細胞の役割を明らかにし、新たな診断・治療への展開を図ることを目的としている。本研究の初年度は、神経疾患における神経系・免疫系・血液系の単球系細胞の弁別可視化計測のために、組織マクロファージに緑色蛍光を発現させるCX3 CR1-EGFPノックインマウス(Jungら, Mol Cell Biol, 2000)と、骨髄由来マクロファージに赤色蛍光を発現させるCCR2-RFPノックインマウス(Saederupら, PLoS One, 2010)を、筋萎縮性側索硬化症モデルマウスであるヒト変異superoxide dismutase1(SOD1)マウスと交配することで、ミクログリアなどの組織マクロファージは緑色細胞として、炎症などの病態下で組織浸潤する骨髄由来マクロファージは赤色細胞として、生体内分別や分離採取が可能となるALSモデルマウスを作出した。また、認知症モデルマウスとして、現在、神経特異的薬剤誘導性TDP-43コンディショナルノックアウトマウスにおいても、同様の交配によって、ミクログリアなどの組織マクロファージは緑色細胞として、炎症などの病態下で組織浸潤する骨髄由来マクロファージは赤色細胞として、生体内分別や分離採取が可能となるマウスを作出しつつある。今後、神経系・免疫系・血液系の組織マクロファージと循環マクロファージを経時的に弁別採取し、遺伝子発現およびタンパク発現プロファイルの網羅的解析および機能解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたモデルマウスの作出に成功しており、表現形の解析も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
作出したモデルマウスから、神経系・免疫系・血液系の組織マクロファージと循環マクロファージを経時的に弁別採取し、遺伝子発現およびタンパク発現プロファイルの網羅的解析および機能解析を通じて、病態形成における単球系細胞の役割を解析する。その結果得られた、単球系細胞の形質転換因子の候補因子を標的とした治療効果について、神経変性モデルマウスで検証を行うと共に、患者検体(血清・髄液)でのフィードバック検証を行う予定である。
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Causes of Carryover |
作出した疾患モデルマウスの繁殖および解析の一部がややずれ込んだため、次年度においてマウス飼育管理費および消耗品費として使用する予定である。
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