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2019 Fiscal Year Research-status Report

Establishment of ALS model by artificial RNA-binding proteins related to ALS proteinopathies.

Research Project

Project/Area Number 18K07534
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

伊東 大介  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (80286450)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords筋萎縮性側索硬化症 / 前頭側頭型認知症 / 遺伝子改変マウス
Outline of Annual Research Achievements

ALS/FTDは進行性に上位, 下位の運動ニューロンが障害を受け,数年のうちに呼吸不全に陥る難治性の神経変性疾患である. これまで同定されたALS/FTDを引き起こす原因遺伝子6つTDP-43, FUS, TAF15, ESWR1, hnRNPA1, hnRNPA2は,生化学的,細胞生物学的に共通性が見られる. すなわち1) RNA recognizing motif (RRM) を持つRNA結合蛋白である. 2) prion-like domain (PrLD) を持ち凝集性が高い. このPrLDはアミノ酸配列において2つの特徴がありglycine/serine-tyrosine glycine/serine (G/S-Y-G/S)の繰り返し配列があり,さらにglutamine (Q)に富む. 3) ストレス顆粒の構成分子である. 4) 患者死後脳で細胞質への局在異常を起こし封入体を形成する. これらの特徴は,ALS/FTDの分子病態を理解するにあたり極めて重要と考えられる. 従来は,それぞれの遺伝子に複数あるALS変異を導入したcDNAを用いて研究されてきたが,その毒性は一定せず,再現性が乏しくは非効率的であり,新たな実験資材が求められていた. 本研究では、上記4つの特徴を持つアミノ酸配列を人工的に設計し、そのcDNAをマウスに導入することにより、人工ALS/FTDモデルを作成、その分子機構を解析する.
我々は、すでに、このALS病態誘導人工遺伝子を培養細胞に導入することによって、細胞質に封入体形成、ストレス顆粒への移行、細胞毒性、凝集を備えておりALS関連分子の生化学的、細胞学的特性を再現できたと考えている.
ALS における重要な特徴とし,多くのALS関連遺伝子がユビキタス発現を示すのに,運動ニューロンに選択的変性がみられることにある. 本研究では、本ALS病態誘導人工遺伝子による運動ニューロンにおける選択的障害を解析するため遺伝子改変マウス樹立をめざす.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

Cre/loxPシステムを利用した誘導発現をもつALS病態誘導人工遺伝子遺伝子改変用ベクターをROSA26遺伝子座へのノックインベクターとして作製した. このALS病態誘導人工遺伝子をROSA26遺伝子座へのCrispr/cas9システムを用いてノックインマウスの作成を試みている. 現在、数ラインのファウンダーマウス候補を得ることができ、遺伝子改変の確認を進めている. 一方、すでに我々が確立しているALSモデル遺伝子改変マウス(△NLS-FUSのtgマウス)の解析も進めている。本マウスより、前頭葉、海馬、脊髄のRNA seq.を行い変動する遺伝子を網羅的に解析した. 本マウスでは多岐にわたるスプライシングの変化が初期より認められるとともに、内皮由来Semaphorin 3GがFUS-ALSマウスの前頭葉と海馬で発現亢進していることを見出した. Semaphorin 3Gはシナプス可塑性に必要であることが報告されており、バイオマーカーへの応用や治療ターゲットにつながる可能性が期待される.

Strategy for Future Research Activity

今後、ファウンダーマウスが得られればB6.Cg-Tg(CAG-Cre)CZ-MO2Osbとの交配により、ALS病態誘導人工遺伝子のユビキタスな発現を誘導する。次に、生化学的(SGマーカー、TDP-43、不溶分画、細胞質分画)、組織学的検査を行いその神経変性過程を検討する. 特に、脊髄前角、末梢神経の変性は詳細に行う. 行動解析としては生存曲線を比較するとともに、footprint、Rota-rod treadmill、hanging wire testを評価して運動能力、活動性を定量的に解析する. 本研究により、ALS病態誘導人工遺伝子が神経変性のトリガーとなることをin vivoで証明するとともに、運動ニューロンの選択的変性の分子機構をin vivoレベルで解析が可能となり、新規治療戦略の確立、薬剤の評価への利用が期待できる.

Causes of Carryover

従来からの計画では本年度に、ALS病態誘導人工遺伝子発現モデル動物の作製、繁殖、解析費用を計上する予定であったが、まだ確かなファウンダーマウスが得られていない.ファウンダーマウスが得られれば、繁殖、胚凍結を行うとともに、B6.Cg-Tg(CAG-Cre)CZ-MO2Osbとの交配、行動解析、組織解析、遺伝子解析に予算を計上する.

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] Extensive splicing changes in an ALS/FTD transgenic mouse model overexpressing cytoplasmic fused in sarcoma.2020

    • Author(s)
      Ito D, Taguchi R, Deguchi M, Ogasawara H, Inoue E.
    • Journal Title

      Sci Rep

      Volume: 10(1) Pages: 4857

    • DOI

      10.1038/s41598-020-61676-x

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2021-01-27  

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