2020 Fiscal Year Annual Research Report
Genetic analysis of VPS13C in Parkinson's disease
Project/Area Number |
18K07536
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
吉野 浩代 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80338417)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | VPS13C / VPS13A/B/D / レアバリアント / パーキンソン病 / 発症危険因子 / iPS細胞由来神経細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
常染色体劣性遺伝性パーキンソン病(Parkinson's disease, PD)の原因遺伝子であるVPS13C遺伝子について、レアバリアントの意義の評価と、表現型への影響の探索を目的として研究を進めた。 PD患者936人、ジストニア―パーキンソニズムをはじめとしたPD関連疾患患者149人、神経変性疾患を持たない健常者324人について、遺伝子パネルを用いたIon Torrentシステムによるターゲットリシーケンス法にてスクリーニングを施行し、多数のVPS13Cバリアントが検出された。この中にはin-silico解析で有害と予測され病原性が疑われたバリアントや、公共データベースには掲載されていない新規バリアントも多数存在した。公共データベースにおけるアレル頻度が0.5%以下のレアバリアントを持つ人数の比率を患者群と健常者群で比較した結果、非同義置換性バリアントについて、PD群 8.1%、PD関連疾患群 9.4%、健常者群 3.1%と患者群で有意に高く、VPS13C遺伝子のレアバリアントがPDあるいはPD関連疾患の発症に寄与する危険因子の可能性が示された。VPS13C遺伝子のパラログ遺伝子であるVPS13A/B/D遺伝子も種々の神経変性疾患の原因遺伝子であり、PD発症の危険因子の可能性を視野に入れ、VPS13C同様に関連解析を行った結果、VPS13B,Dでは患者群で有意に高く、危険因子の可能性が示された。 VPS13Cバリアントの表現型への影響の探索では、ホモ接合体変異患者および複合ヘテロ接合体変異患者の各1例の末梢血より樹立したiPS細胞から分化誘導したドパミン作動性神経にて、VPS13C蛋白やα‐シヌクレインの発現や分布、ミトコンドリア機能について免疫組織学、あるいは分子遺伝学的検討を行っている。
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