2018 Fiscal Year Research-status Report
Organ involvement in patients with anti-mitochondrial antibody-positive myositis
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18K07542
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Research Institution | Okinaka Memorial Institute for Medical Research |
Principal Investigator |
前田 明子 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (20646799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 潤 東京大学, 医学部附属病院, 届出診療医 (40260492)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 筋炎 / 抗ミトコンドリア抗体 / 不整脈 / 心筋症 / 拘束性換気障害 / 臓器合併症 |
Outline of Annual Research Achievements |
H 30年度には、①抗ミトコンドリア抗体(AMA)陽性筋炎の臨床情報の追跡調査、②文献的検索、③筋病理標本の観察を行った。①臓器合併症を有するAMA陽性筋炎症例の治療内容、経過、その後の臓器合併症の発症の有無につき主治医に問い合わせた。②医学中央雑誌Web版を用いた検索では、2019年3月の時点で会議録も含めてAMA陽性筋炎は71例あり、2015年(1例)、2016年(3例)、2017年(7例)、2018年(10例)と年々増加していた。18例で不整脈(上室性頻拍(13例)、房室ブロック4例、洞不全症候群4例、心室頻拍4例、洞停止1例 (重複6例を含む))、27例で心不全・心筋症が報告されていた。心臓デバイス術(カテーテルアブレーション4例、埋め込み型除細動器6例、ペースメーカー2例)は12例で施行されていた。Ⅱ型呼吸不全は15例で報告され、うち14例で補助人工呼吸が施行された。また、2012年の我々のAMA陽性筋炎の多数例報告後、日本(2017年)、フランス(2018年)、米国(2018年)、中国(2019年)から計4つの多数例での追試が報告され、各々筋炎でのAMA陽性率は19.5、7.8、0.6、5.1%と、米国での報告を除き我々の報告と同等であった。AMA陽性筋炎の対象症例は各々8、11、7、7例であり、心臓合併症は30~70%で、不整脈が最も多くを占めた。1報告のみ拘束性換気障害の合併頻度が示された(14%)。これらの文献検索結果は、我々が提唱しているAMA陽性筋炎での心臓合併症(高頻度で時に重篤)、Ⅱ型呼吸不全(頻度は高くなくとも時に重篤)の特徴を裏付けた。また本疾患の知名度を確認し、臨床データベース構築の土台となった。③病態機序解明に向けてAMA陽性筋炎症例の新規生検筋組織のルーチン染色および免疫染色所見について病理観察を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は1)臓器合併症のある抗ミトコンドリア抗体陽性筋炎の臨床データベースの構築、2)病態機序解明を行うことを目的としている。 1)H 30年度には臓器合併症を有する抗ミトコンドリア抗体陽性筋炎の臨床データベースの構築の土台作りを行い、それをベースとして今後は全国アンケート調査に向けて準備を進めている段階である。引き続き各施設からの情報収集、文献的裏付けを行う。2)病態機序解明については、血液、筋組織各サンプルの調整にやや時間を要しているが、準備は整ってきている。
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Strategy for Future Research Activity |
1)抗ミトコンドリア抗体陽性筋炎症例の臨床追跡調査:現時点で既に抗ミトコンドリア抗体陽性 心臓、呼吸筋合併症としてデータベース化されている症例のその後の治療内容、臨床経過、転機をアンケート形式で調査し、データベースの更新を行う。2)全国調査:日本神経学会を通じて全国アンケート調査を行い、 抗ミトコンドリア抗体陽性筋炎症例の診療経験数、さらに不整脈、心筋障害、呼吸筋合併症を有した症例数を問い合わせる(一次調査)。次に、これらの臓器合併症を有した症例の 詳細を問い合わせる(二次調査)。 2)保存患者血清を用いて、ラミニン、ミトコンドリアM7、ミトコンドリアADP/ATPトランスポーター、ミオシン 重鎖、Na-K-ATP ase、トロポニンIなどに対する自己抗体の検出を行う。また、抗ミトコンドリア抗体陽性筋炎症例の生検筋組織を用いたmRNA発現解析に向けてサンプル調整および準備を行う。
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Causes of Carryover |
H30年度には研究室の移転準備に伴い血清学的検索の準備に時間がかかったこと、研究者の個人的都合により海外の学会参加を見送った関係で次年度使用額が生じた。その分は従来予定していたH31年度には、血清サンプルを用いた血清自己抗体網羅的解析に充てる方針である。
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[Journal Article] Inflammatory myopathy with myasthenia gravis2018
Author(s)
Uchio Naohiro、Taira Kenichiro、Ikenaga Chiseko、Kadoya Masato、Unuma Atsushi、Yoshida Kenji、Nakatani-Enomoto Setsu、Hatanaka Yuki、Sakurai Yasuhisa、Shiio Yasushi、Kaida Kenichi、Kubota Akatsuki、Toda Tatsushi、Shimizu Jun
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Journal Title
Neurology - Neuroimmunology Neuroinflammation
Volume: 6
Pages: e535~e535
DOI
Peer Reviewed / Open Access