2019 Fiscal Year Research-status Report
ジストロフィン欠損と加齢による骨格筋萎縮発症の分子機序解明
Project/Area Number |
18K07544
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
青木 吉嗣 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 遺伝子疾患治療研究部, 部長 (80534172)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | サルコペニア / デュシェンヌ型筋ジストロフィー / 筋萎縮 / 速筋型タイプII筋線維 / 超高感度定量質量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢化社会を迎えたわが国では,加齢と疾患に伴う筋萎縮(サルコペニア)はADL低下の主因である。一方、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は、ジストロフィン遺伝子の変異により、骨格筋膜の裏打ちタンパク質であるジストロフィンが欠損して生じ、経時的に筋力低下と筋萎縮が生じる難治性筋疾患である。興味深いことにDMDおよび高齢者の骨格筋では、共通して速筋型タイプII筋線維優位の萎縮を認めるが、DMDと加齢に共通する骨格筋量調節の詳細な分子機構は不明である。そこで申請者は、若齢(8週齢)と高齢(80週齢)の野生型およびDMDマウスの骨格筋を対象に、超高感度定量質量分析(HiRIEF-LC-MS/MS)を実施し、加齢と共に発現レベルが変化するタンパク質を探索した。これまでに、定量に成功した4974種類のタンパク質の中から、加齢に伴い発現レベルが有意に上昇した16種類に着目し、分子・細胞生物学的解析を進めている。本研究を通して、DMDと加齢に伴う筋萎縮の分子病理を解明し、サルコペニアの予防および治療法確立に必要な標的分子を探索する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時に計画に沿って、研究を推進している。
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Strategy for Future Research Activity |
成果の論文化を進める。並行して、本研究で見出したデュシェンヌ型筋ジストロフィーと加齢に伴う筋萎縮に共通の標的分子を対象に、筋ジストロフィーモデルマウスを用いて、筋萎縮(サルコペニア)制御の分子機構を詳細に明らかにする。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、研究材料の一部の入手が困難となり、使用計画の一部を遅らせたため。
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Research Products
(21 results)