2018 Fiscal Year Research-status Report
Integrated research on dementia in older people with intellectual disability
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18K07560
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
寺田 整司 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (20332794)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 知的障害 / 認知症 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度から大きな成果を得ることが出来た.まず,岡山県下の3つの社会福祉法人から本研究参加への快諾を得た.その結果,最終的には,各社会福祉法人傘下の知的障害者施設28カ所から参加の同意を得た.対象となった施設に入所している知的障害者(成人)および対象施設に通所している知的障害者(成人)を対象として調査を実施した. 具体的には,まず対象者全員について,施設職員により調査票(Dementia Screening Questionnaire for Individuals with Intellectual Disabilities, DSQIIDを含む)への記入を実施してもらった.その後,数ヶ月をかけて,28カ所の施設全てを3名の専門家(認知症専門医,老年精神医学専門医,遺伝研究者・医師)が訪問した.1日に1-2カ所のペースで訪問した.訪問時には,全対象者について,スタッフの記入した調査票を詳細に調査し,未記入部分や不明な点については施設スタッフに直接に問い質し,対象者の詳細を把握することに努めた.調査票および施設スタッフとの面談により,認知機能低下の可能性が僅かにでも疑われる例については,全例について3名の専門家が実際に面談し,診察を実施した.認知症の診断基準については,DSM-5その他を使用した. 調査結果の概要を得て,早くも海外で2回の発表を行った.具体的には,2018年7月に国際知的・発達障害学会(アテネ)で,2019年3月に台湾老年精神医学会(台湾)で成果を発表した.また,国内でも2018年8月に日本発達障害学会(福山市)で,10月に日本認知症学会(札幌市)で発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に大規模な調査を実施することが出来た.調査の途中経過および結果の概要を,2つの国際学会および2つの国内学会で発表することが出来た.調査内容の詳細については上記に記載した通りであり,重複する部分も多いが重ねて記載する.なお,本研究実施に当たっては,家族からの書面による同意を必須とし,本人に同意能力があると推測された場合には本人からの同意も必須とした.本調査の主要評価項目は,知的障害者における年齢別の認知症罹患頻度とし,認知症診断については,DSM-5・ICD-10・DCLD(Diagnostic Criteria for Learning Disability)を使用した. まず,倫理委員会での承認を得てから,3つの社会福祉法人から協力への快諾を得て,最終的には知的障害者施設28カ所から参加の同意を得た.対象となった施設に入所または通所している知的障害者(成人)を対象として調査を実施した.対象者全員について,施設職員により調査票(DSQIIDを含む)への記入を実施してもらった.その後,28カ所の施設全てを3名の専門家が訪問した.全対象者について施設スタッフに直接に問い質し,認知機能低下の可能性が僅かにでも疑われる例については,全例について3名の専門家が実際に診察を実施した. 最終的には,全体で493人が対象となった.平均年齢は46.6歳で,男性が311名,女性が182名であった.知的障害の程度は,軽度が60人,中等度が135人,重度が298人であった.なお,493名のうち,ダウン症が34名,それ以外の知的障害者が459名であった.
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Strategy for Future Research Activity |
まずは,集積したデータの入力を進めていきたいと考えている.データ入力に関して,研究補助者の雇用を予定している.データの最終的な入力が済んでから,統計的な検討を進める予定である.統計的な検討としては,主要評価項目である認知症有病率を示すだけでなく,使用した診断基準のうち,知的障害者における認知症診断に特に有用な診断基準はどれかを明らかにしたいと考えている.その成果も関連諸学会で発表していく予定である. さらに,DSQIIDなどの調査票についても,その有用性を検討していく.DSQIIDは,もともとダウン症患者における認知症スクリーニング用に開発されたスケールであり,ダウン症以外の知的障害者においても有用ではないかと(原著者らは)記載しているが,実際の調査は全く実施されていない.本研究において,ダウン症以外の知的障害者を対象として実際に使用し,その有用性を検討するとともに,より簡便なスクリーニング法の開発にも努めたい.知的障害者における認知症をスクリーニングするための評価票は世界でも全く報告されていないため,非常に有益な研究になりうると考えている. さらに,知的障害者における認知症を診断するための評価票として,CAMDEX-DS(The Cambridge Examination for Mental Disorders of Older People with Down's Syndrome and Others with Intellectual Disabilities)が公表されているが,本邦では全く使用されておらず,その日本語版作成も検討していきたい.
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Causes of Carryover |
(理由) 平成30年度は,専門家が施設訪問し,調査を実施した.非常に意義のある調査であったと考えているが,研究補助者の雇用などはなく,コンピュータや統計ソフトの購入も未実施であり,研究費の使用額としては少額で済んだ. (使用計画) 施設間の連絡業務やデータ入力を含め,研究補助者の雇用を予定している.また,コンピュータや統計ソフトの購入も予定しており,繰り越した金額を含めて,来年度の予算を組んでいる.さらに,関連する書籍や文献入手のための予算や,学会発表・論文投稿も予定しており,そのための費用や雑費も予算に含めている.
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Research Products
(4 results)