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2018 Fiscal Year Research-status Report

認知機能と報酬予測機能の安静時fMRI指標開発とうつ状態バイオタイプ同定への応用

Research Project

Project/Area Number 18K07563
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

岡田 剛  広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 講師 (10457286)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords安静時fMRI / 遂行機能 / 報酬予測 / 反芻思考 / うつ状態
Outline of Annual Research Achievements

これまでうつ病で機能異常が示唆されている機能ドメインにおける神経回路機能の個人差を安静時fMRIから予測する手法を確立するため、当該年度は、言語流暢性課題および金銭遅延報酬予測課題を遂行中のfMRIデータを30例の健常者を対象に安静時 fMRIとあわせて取得した。得られた課題遂行中のfMRIデータは一般線形モデルにより統計解析し、遂行機能にかかわる背外側前頭前野、報酬予測にかかわる腹側線条体の賦活機能を評価した。また、安静時fMRI データは、脳全体を78の領域に分けて、異なる領域における脳の活動がどのように相関しているかを解析した。さらに、課題遂行と関連した賦活機能の個人差を、安静時fMRIで測定される脳領域間機能的結合の重み付け和で推定するモデルを予備的に検討した。その結果、反芻思考にかかわるとされるデフォルトモードネットワークに含まれる領域に主に重み付けされた安静時fMRI脳領域間機能的結合データの重み付け和により、遅延報酬予測課題を遂行中の腹側線条体の賦活機能の個人差を推定できるという予備的な結果を得た。反芻思考と、報酬予測機能の低下はともにうつ状態で認められる症状であるが、これらと対応する脳指標の間に関連がみられたことは、非常に興味深い。今後、遂行機能に関わる背外側前頭前野の賦活機能と安静時fMRI脳領域間機能的結合データの関連についても解析を進め、脳神経回路機能に基づくうつ状態のバイオタイプの同定に資する安静時fMRI指標の確立を目指す予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の3年間での目標は、われわれがこれまでに賦活課題を用いたfMRI研究で明らかにしてきたうつ病の脳機能異常に関して、その個人差を予想する安静時fMRI指標を確立し、得られた指標で、認知機能や報酬予測などに関する神経回路機能に基づくうつ状態の神経生理学的バイオタイプを同定することである。当該年度は、30例の健常者を対象に、言語流暢性課題および金銭遅延報酬予測課題を遂行中のfMRI、および安静時 fMRIデータを取得し、背外側前頭前野および線条体の賦活機能の個人差を予測する安静時fMRI指標の予備的な検討を行うことを目標としており、概ね目標を達成することができた。

Strategy for Future Research Activity

背外側前頭前野および線条体の賦活機能の個人差を予測する安静時fMRI指標を、精度と汎化性能の高いものにするため、画像データの前処理やパーセレーションの最適化に取り組む。精度の高い安静時fMRI指標が確立されれば、うつ状態の患者群において、確立した安静時fMRI指標を測定しクラスタリングすることで、脳神経回路機能に基づくうつ状態のバイオタイプの同定を試みる。また安静時fMRIと合わせて、うつ症状(Hamilton Rating Scale for Depression、Beck Depression Inventory)、認知機能や報酬予測機能を調べるためのコンピュータ課題のパフォーマンス、脳機能への影響が示唆されている環境要因を、クラスタリングに用いない外的な実証測定項目として評価し脳神経回路機能に基づくバイオタイプの妥当性を検証する。

Causes of Carryover

脳賦活課題を作成し提示するための課題提示用コンピュータ、および得られたデータを解析するためのデータ解析用コンピュータを設備備品として計上していたが、解析用コンピュータに関しては当該年度は既存のもので対応できたたため購入しなかった。既存のものの老朽化に伴い、次年度以降新規に購入する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2018

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] うつ病の神経回路~fMRI を用いた診断・治療法開発の試み~2018

    • Author(s)
      岡田剛
    • Organizer
      平成30年度生理研研究会 『情動研究会』

URL: 

Published: 2019-12-27  

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