2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K07572
|
Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
山本 亮 金沢医科大学, 医学部, 講師 (30447974)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 哲史 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (90334812)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 攻撃性 / ストレス / 視床下部 / 扁桃体 / 分界条床核 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ストレスによる攻撃行動の調節とその基盤となる神経回路機構の解明を目指すことである。初年度に引き続き電気生理的実験を行い、分界条床核から視床下部内腹側核への投射による興奮性調節を精査した。ストレスと関連する脳部位が視床下部内腹側核へ投射を持つ事も解剖学的に明らかにしつつある。これらのマウスを用いた解剖生理学的in vitro実験に加えて、本年度は、マウスとスナネズミを用いた行動実験を行った。マウスは社会的孤立ストレスを加える事で攻撃性が増強する傾向にあった。スナネズミは社会的コンフリクトにより攻撃性が上昇する傾向がみられた。マウスに比べスナネズミは攻撃行動が安定しており、物理的攻撃行動に加えて音声威嚇による攻撃性の発露も観察されることから、攻撃性と社会性の関連を調べる上で非常に良いモデル動物である事が分かった。今後は遺伝子改変マウスを用いた研究と、スナネズミを用いた研究とを比較検討する事で研究の推進を図る。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はマウスの行動実験に加えてスナネズミを用いた行動実験も開始した。マウスに比べスナネズミは攻撃行動が安定しており、物理的攻撃行動に加えて音声威嚇による攻撃性の発露も観察されることから、攻撃性と社会性の関連を調べる上で非常に良いモデル動物である事が分かった。これにより、より詳細な攻撃行動の解析が可能となりつつある。
|
Strategy for Future Research Activity |
マウスを用いた実験は様々な遺伝子操作ツールを用いる事が可能であり、またスナネズミを用いた実験は攻撃行動の段階的な検証が可能である。今後は遺伝子改変マウスを用いた研究と、スナネズミを用いた研究とを比較検討する事で研究の推進を図る。
|
Causes of Carryover |
薬品費の使用に予定とのずれが生じたため、年度を持ち越して使用する。
|