2019 Fiscal Year Research-status Report
EP2受容体阻害薬によるアルツハイマー病の治療の検討
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18K07574
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Research Institution | Kyushu University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
長野 貴之 九州保健福祉大学, 薬学部, 講師 (10368516)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ミクログリア / プロスタグランジン |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の結果は、prostaglandin E2 (PGE2)が培養ミクログリアのcyclooxygenase (COX)-2の発現量を増加させることを示唆していた。本年度は、PGE2の作用機序を明らかとするために、PGE2の受容体のアゴニストとアンタゴニストを用いてRT-qPCR法により検討を行った。PGE2の受容体のアゴニストやアンタゴニストの処置時間は3時間で行い、用量は10-9 Mから10-5 Mまで検討した。PGE2合成に関する遺伝子として、COX-1, COX-2, mPGES-1、mPGES-2、cPGESについて検討した。 その結果、COX-1、cPGESに関しては、薬物処置がない場合でも培養ミクログリアにおいて発現が見られ、これらのmRNA発現量は、PGE2の受容体のアゴニストやアンタゴニスト処置による影響を受けなかった。mPGES-2に関しては、薬物処置がない場合でも培養ミクログリアにおいて発現が見られたが、このmRNA発現量はPGE2の受容体のアゴニストにより減少した。COX-2、mPGES-1に関しては、EP2受容体アゴニスト処置では10-8 Mから発現量の増加が見られた。また、EP2受容体アンタゴニストはPGE2によるCOX-2の発現量の増加を10-6 M以上で抑制した。その他のPGE2の受容体アゴニストやアンタゴニストは、10-6 MまではCOX-2の発現量に影響を与えることはなかった。 以上の結果から、EP2受容体活性化が培養ミクログリアのCOX-2、mPGES-1のmRNA発現量を増加させることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の研究実績の概要で示した細胞での検討結果以外に、動物を用いて検討する予定であった。しかしながら着手できていない。そのため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題で当初考えていた順に基づき、着手していきたい。令和元年度に計画していて着手できなかったことにまずは取り組み、できる限り当初の計画に追いつけるようにしたい。
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Causes of Carryover |
理由としては、研究計画の遂行が遅れているため、それに伴い次年度使用額が生じている。使用計画としては、令和元年度に行う予定であったが実施できなかった検討から順に行いできる限り計画に追いつきたいと考えているので、それに応じて次年度使用額と当初の予定額を研究に使用する消耗品等に使用したいと考えている。
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