2023 Fiscal Year Annual Research Report
Genetic factors and molecular mechanisms in the development of circadian rhythm sleep-wake disorders
Project/Area Number |
18K07580
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
肥田 昌子 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 睡眠・覚醒障害研究部, 客員研究員 (20333354)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 概日リズム / 睡眠障害 / 遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
概日リズム睡眠-覚醒障害のサブタイプの一つである非24時間睡眠-覚醒リズム障害は、睡眠時間帯が1日あたり30分~1時間遅れ続け、社会生活への適応が困難となり、内在性概日周期(τ)の延長や同調機構の障害により発症すると考えられている。また、動物モデルの研究では、概日時計遺伝子に変異や欠失を導入すると動物のτに変化が認められている。そこで、非24時間睡眠-覚醒リズム障害の発症に寄与する潜在的な遺伝的要因を明らかにするため、視力障害のない日本人非24時間睡眠-覚醒リズム障害患者12例を対象に、次世代シーケンサーを用いてエクソーム配列解析を行った。合計5,829,346種のバリアントが検出され、信頼度が低いバリアントを除くと31,932種、リード数が少ないバリアントを除くと25,373種となり、そのうち23,515種が既知、1,858種が新規であることが判明した。これまでに特定されている時計遺伝子群の遺伝子ではなく、概日リズムや睡眠・覚醒調節に関連する可能性があり、かつ新規バリアントが検出された遺伝子に着目し、非24時間睡眠-覚醒リズム障害患者合計64例を対象にサンガーシーケンスを実施した。その結果、既知5種、新規2種の合計7種のバリアントが検出された。これらのバリアントが非24時間睡眠-覚醒リズム障害の発症や病態に関わるかを明らかにするためには機能解析をはじめとする他のアプローチが必要であるが、本研究成果は、概日リズムや睡眠・覚醒調節に関わり得る新たな遺伝子の存在を示唆している。
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