2023 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of biomarkers for early intervention of schizophrenia focusing on neural oscillations
Project/Area Number |
18K07588
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
切原 賢治 東京大学, バリアフリー支援室, 准教授 (80553700)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 脳波 / 聴性定常反応 / 神経オシレーション / 思春期 |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症の早期段階を対象に聴性定常反応(Auditory Steady-State Response: ASSR)を調べる研究では、以下の結果を得た。統合失調症患者では発症後早期の段階でASSRが低下しており、ASSRの低下は後の全般的な重症度を予測した(Koshiyama et al., 2018)。統合失調症患者におけるASSRの低下はN-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体機能を反映するミスマッチ陰性電位(mismatch negativity: MMN)の低下と相関した(Koshiyama et al., 2018)。統合失調症患者でのASSRの低下はDセリンの相対的な血中濃度と相関した(Koshiyama et al., 2019)。ASSRが興奮・抑制バランスを反映していることを示した総説を発表した(Tada et al., 2020)。一方、γオシレーションの自発活動は統合失調症の早期段階では変化しなかった(Tada et al., 2023)。また、20Hz刺激に対する同調性のγオシレーションも統合失調症の早期段階では変化しなかった(Tada et al., 2023)。ASSRは大脳白質と関連しており、それらが統合失調症で障害されていた(Koshiyama et al., 2024)。ASSRとともに測定している臨床症状やMMNについても統合失調症早期段階における関連や変化を見出した。 思春期を対象にASSRを調べる研究はプロトコールを発表した(Okada et al., 2019)。思春期におけるASSRの変化は心理的困難さの変化と関連を認めなかった。 なお、ASSRの発生源は聴覚皮質だけでなく、側頭葉、頭頂葉、前頭葉と広く分布していることを見出した(Tada et al., 2021)。
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