2023 Fiscal Year Research-status Report
Lysosomal dysfunction and its pharmacological treatment in autism spectrum disorders
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18K07592
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
朱 紅 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 博士研究員 (90778614)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / ミクログリア |
Outline of Annual Research Achievements |
糖タンパクGpnmb (glycoprotein nonmetastatic melanoma b)はマクロファージ、ミクログリア、樹状細胞(dendritic cell)および未分化なグリオーマ細胞に高発現する。Gpnmbは推定膜貫通領域を一つもち、ライソゾーム標識抗原CD68(ED1)などと同時局在する。この糖タンパクが神経系の発達・成長に果たす役割を調べるために、大量かつ高純度の組換え型Gpnmbタンパクを得ることを目指している。ラットGpnmbをコードするcDNAを発現ベクターに繋いで大腸菌に導入し、大量発現・精製する実験に取り組んだ結果、推定膜貫通領域およびカルボキシル末端を除いた部分を融合タンパクとして大量発現させることに成功した。しかしながら、その後、高純度に精製する条件の最適化を試みたが、適切な方法を見つけられないままであった。そこで、哺乳類細胞であるExpi発現システムを試したところ、このシステムでも高い発現レベルを得られることが判った。糖鎖付加がタンパク機能に与える影響があるかも知れないことも考慮すると、発現系を大腸菌から哺乳類細胞に切り替えることの優位性が予想されたので、Expi293F細胞に発現させたGpnmbタンパクの大量精製を進めることに方針を変更した。昨年度に続き、Expi293F細胞からの大量精製する各種条件を試とともに、神経系細胞の培養を開始し、Gpnmbタンパクが初代培養ニューロンおよび神経由来培養細胞株の電気的膜興奮性・分化・増殖に与える影響、およびミクログリアのライソゾームの機能調節作用をもつか否かを調べる準備に取りかかっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
哺乳類Expi293F細胞に発現させたGpnmbタンパクの精製条件の決定に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
組換え型Gpnmbタンパクの精製方法・条件を繰り返し、最適化する。神経系培養細胞に添加した時の神経突起伸長性と遊走性を中心とした変化を調べる。またミクログリアにおいて、siRNAによるGpnmb抑制がライソゾーム安定性に与える影響を調べる。
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Causes of Carryover |
今後は組換え型Gpnmbタンパクの精製方法・条件を改良しながら、神経系培養細胞に与える影響を調べる。これらに必要な生化学実験試薬、細胞培養器具に充当 する。
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