2020 Fiscal Year Research-status Report
精神疾患の多施設脳画像データと機械学習による脳画像特徴抽出の試み
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18K07597
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
杉原 玄一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (70402261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 直也 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (40526878)
山下 祐一 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第七部, 室長 (40584131)
孫 樹洛 京都大学, 医学研究科, 研究員 (60771524)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脳画像 / MRI / 深層学習 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
精神障害の病態解明にMRIをはじめとする脳画像技術が援用され、その成果は蓄積されつつある。しかし、その病態は十分に解明されていない。その要因の一つに、精神障害の診断が一般に症状 (表現型) を基になされるが、その背景にある病態が均一でないことが挙げられる。こうした異種性を持つ疾患の病態を研究するには、より大きなサンプルサイズが必要で、多施設によるデータ収集が不可欠となる。一方、多施設データセットには施設間差が含まれ、その影響は一般に脳画像研究においては精神障害そのものが持つ影響よりも大きい。本申請研究では、脳画像データの施設間差を機械学習により除去し、脳画像における精神疾患の特徴そのものを抽出し、さらに、異種性を考慮に入れた解析を行うシステムを構築することを目的としている。 現在、公開されている複数の施設で得られたデータセットを収集した。まず、これらのデータのうち、健常成人のデータを用い、1施設50名、6施設、合計300名のMRI画像から撮像施設を同定する深層学習のモデルを構築した。汎用性を考慮し、データはMRI画像を3次元のまま使用し、極力、前処理を避けるよう解析した。このモデルにより、訓練データ、検証データ共に99%を超える正解率で撮像施設を同定するモデルの構築に成功した。このモデルにより撮像施設の特徴を3次元の情報のまま抽出することが可能となり、その特徴量の可視化にも成功している。また、こうした特徴量を施設間で均一化するモデルを複数、検証している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
抽出した施設の特徴量を均一化する方法を複数検証しているが、いまだ十分な成果を得られるようなモデルが確立されていないため。また、新型コロナウイルス感染拡大に伴い研究活動が一時制限されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は個人MRIの特徴を維持したまま、抽出された施設の特徴量を均一化する深層学習のモデルを構築し、別に入手した検証用のデータで均一化がうまくなされているか、定量化を行う。ここで十分な均一化がなされていることを確認できれば、まずはその成果を発表する。その後、この方法で均一化された処理済みデータを用いて、精神疾患患者内の脳構造化像の異種性について検証し、その臨床的特徴との関連を調査する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大により、実験計画が延期となったり、参加予定学会が中止となったため。
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