2020 Fiscal Year Annual Research Report
Cross frequency coupling of MEG in the patients with schizophrenia
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18K07602
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
平野 昭吾 九州大学, 大学病院, 助教 (10568984)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 脳磁図 / 周波数間カップリング / 聴性定常反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度においては、これまでに得られた46名の統合失調症患者および27名の正常対照者の脳磁計による聴性定常反応(ASSR: Auditory steady state response)のデータ解析を試みた。しかし被験者の脳磁図データを被験者のMRIデータを利用して作成した脳表マップ上へ投射し、周波数解析を行う段階において、予想していたよりもはるかに計算量が多く計算に困難を生じており、解析プログラムの修正および改良が必要となった。現在は共同研究者と協力し解析プログラムの修正および改良を行っているところである。 脳磁図は脳波よりも脳活動をより空間分解能および信号/雑音比を高く測定が可能であることから、本研究により、我々の研究チームで統合失調症の聴覚野付近の脳波において得られた位相振幅カップリングに関する知見(Hirano et al. Biol Psychiatry Cogn Neuroscience Neuroimaging. 2018)よりも、広範に渡る詳細な知見を得ることが期待される。周波数間カップリングの一形態である位相振幅カップリングは種々の脳部位において、かつ多くの脳機能に関わって観察されており、脳内の情報伝達の有力な担い手であると考えられている。統合失調症患者において観察される認知機能の広範囲にわたる障害は、脳内で広く観察される現象である周波数間カップリングと関連があると考えられ、本研究は統合失調症患者における認知機能異常の病態解明に寄与することが期待される。
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