2019 Fiscal Year Research-status Report
カーボンナノチューブを利用した自己集合型・腫瘍特異的超音波造影剤の開発
Project/Area Number |
18K07627
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
対馬 義人 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20375546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花岡 宏史 群馬大学, 大学院医学系研究科, 特任准教授 (50361390)
山口 藍子 群馬大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座等教員 (80609032) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 超音波造影剤 / 自己集合型 / カーボンナノチューブ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では、良好な腫瘍集積性を示す薬物輸送担体として着目されており、かつ超音波造影効果を有することが知られている「多層カーボンナノチューブ(MWCT)」を母体化合物として選択し、腫瘍特異性、超音波造影能の増強および毒性低減を同時に達成するため、腫瘍において高発現している酵素により認識・切断を受けることで、腫瘍特異的に自己集合能を獲得する部位を付与した、MWCT誘導体を設計・合成し、新たな腫瘍特異的超音波造影剤としての有用性を検証を行う。 今年度はモデル化合物として、γグルタミルトランスペプチターゼにより開裂することで末端にシステイン残基を露出することが知られているGSHを選択した。γグルタミルトランスペプチターゼを含有することが知られている腎ホモジネートをGSHに加えることで、システインが露出し、6-アミノ-2-シアノベンゾチアゾールと反応するかどうかを検証したところ、GSHおよびシアノベンゾチアゾールに腎ホモジネートを加えてインキュベートした時のみ、HPLC上で両者の結合体が観察された。このことから両者をカーボンナノチューブに結合することで、酵素依存的に開裂し、自己重合する可能性が示された。 またシアノベンゾチアゾールを結合したカーボンナノチューブの合成も行った。カルボン酸が露出しているカーボンナノチューブを購入し、シアノベンゾチアゾールと縮合反応を行ったところ、ある程度のシアノベンゾチアゾールがカーボンナノチューブに結合したことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
化合物の合成に予想以上に時間を要しているため、当初の予定よりも進行は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
まずはカーボンナノチューブの合成を終了させる。 その後、カーボンナノチューブが実際に酵素依存的に開裂し、自己重合するかを検討する。 またマウスに投与し、体内動態を確認する。 最終的には担癌マウスにおける超音波イメージング画像の取得を目指す。
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Causes of Carryover |
化合物の合成に時間を要したため、学会発表できずに、旅費として計上していた資金が余剰となった。 次年度の化合物合成のための費用として使用する計画である。
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