2020 Fiscal Year Research-status Report
実用化を目指した機械学習に基づく脳腫瘍画像診断支援技術の開発
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18K07629
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
國松 聡 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (20323553)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | MRI / 脳腫瘍 / 画像診断支援 / 機械学習 / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度においては、脳腫瘍MRI画像データの収集および画像前処理技術の検討を継続した。 前者については、所属施設の診療用画像保存システムから検索・抽出したなかから、最終的に膠芽腫(87例)、脳悪性リンパ腫(46例)、髄膜腫(124例)、神経鞘腫(109例)のMRI画像(240761枚)の画像データセットを作成した。 後者については、画像データからのプログラムを使って腫瘍の自動的に抽出する方法の確立が課題であったが、令和2年度中に深層学習手法を用いた腫瘍関心領域の抽出およびアノテーション(意味づけ)を自動化するパイプラインを確立した。すでに一部の症例に対して、適応を開始して、十分な性能を有する感触を得ている。既存のアルゴリズム(プログラム)を取り入れていれたものであるが、専門知識を有する医師による腫瘍の輪郭抽出とアノテーションに対して概ね遜色ない結果を今のところ得ている。また、最終的に抽出が困難な部位や、誤って腫瘍と分類された領域は、個別のプログラムによりなるべく取り除く手法も併用しており、より正確な腫瘍領域の抽出や病的な意味づけが可能となると考えている。 また、本研究に関連した発表として、radiomics、機械学習、人工知能の脳MRI画像への応用をテーマのなかで本研究における成果の一端を、第50回日本神経放射線学会第40回日本画像医学会において発表し、さらにMagnetic Resonance in Medical Sciences誌において先行電子出版を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
目標とした脳腫瘍の病理診断確定例の画像収集が完了した。 脳腫瘍画像の自動抽出・アノテーションのパイプラインを確立し、症例の一部はすでに処理を終えている。 大学の活動制限指針に従い、当初の目標にくらべると進捗が全般に遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
脳腫瘍画像の自動抽出およびアノテーションを令和3年度前半の可及的に早いうちに完了させ、診断支援アルゴリズムの開発および診断支援モデルの初期成績評価に取りかかる予定である。
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Causes of Carryover |
当初計画の遅延・変更等により補助事業期間を延長し承認されたため。 延長された期間での研究に必要な物品や論文英文校正、論文掲載料等に使用する予定である。
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