2020 Fiscal Year Annual Research Report
Immunological analysis and clinical outcome of patients with squamous cell carcinoma treated with radiation therapy
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18K07636
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
田巻 倫明 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (20400749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 義行 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60334116)
三村 耕作 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (90568031)
小此木 範之 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 重粒子線治療研究部, 医長(定常) (00750572)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 抗腫瘍免疫 / 食道癌 / 化学療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度、食道扁平上皮癌症例において、放射線治療による抗腫瘍免疫の誘導の有無および予後と相関する腫瘍免疫学的バイオマーカーの解析を継続した。解析の結果、術前化学療法施行群において、腫瘍内CD8陽性T細胞の浸潤数、HLA Class I分子発現、pStat1発現は有意に増加していた。また、術前治療の有無や種類に関わらず、腫瘍内のCD8陽性T細胞数と腫瘍に隣接する間質内のCD8陽性T細胞数には有意な相関があることが示された。一方で、術前化学放射線療法群では、腫瘍内CD8陽性細胞の浸潤数、HLA Class I分子発現、pStat1発現の優位な増加は認められなかった。また、両群において、PD-L1発現、CEACAM-1発現、LSECtin発現に優位な変化は認められなかった。治療効果との相関の解析では、腫瘍免疫学的バイオマーカーと生存期間および術前治療効果判定との有意な相関は認められなかった。 今回の研究では、術前化学療法でHLA Class I分子発現やCD8陽性T細胞の浸潤が増加しており、抗腫瘍免疫が誘導されていることが示されたが、臨床成績との有意な相関は認められなかった。また、pStat1は抗PD-1/PD-L1抗体が有効となる指標であることを示唆される研究もあるため、今後の食道癌治療における抗癌剤治療と免疫チェックポイント阻害剤の併用について今後の解析が期待される。 今回解析したバイオマーカーでは、免疫組織学的解析で一部量的評価が困難なものもあり、解析に多くの時間を要した。また、放射線治療の併用における抗腫瘍免疫の有意な誘導が示されなかったこともあり、学会発表や論文発表が困難であったが、今後、発表への努力を継続していく。 一方、国内と海外において放射線治療や免疫治療に関連する学会に参加し、本研究に関連する情報収集や意見交換を行い、研究遂行に役立てた。
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