2020 Fiscal Year Research-status Report
切除不能・再発膵癌に対するミセル化ナノ粒子を用いた膵動注療法の開発
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18K07640
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
田中 利洋 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (70326338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄 雅之 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (50364063)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | interventional radiology |
Outline of Annual Research Achievements |
膵腫瘍モデルの作成に用いるラットをSprague Dawl ey RatからLewis Ratに、腫瘍株をN1-S1からDSL 6A/C1に変更した。腫瘍モデル作成はDSL 6A/C1を投与量(1×107cells/100μl )でLewis ratの腹部皮下に注入し、8週後に皮下腫瘍の形成を確認。腫瘍を摘出して1mm径の細片に分割した、続いてLewis Rat(7-10週令,体重200-300g程度の雄)を全身麻酔下に小開腹を行い、膵頭部へ4-5個の分割した腫瘍片を移植した。移植8週後に腹部超音波及び小開腹を行い腫瘍形成を確認した。皮下注入での腹壁腫瘍作成は10匹に行い9匹で皮下腫瘍の形成を確認している。最初に作成された2結節について血管造影を行い、膵腫瘍への血行動態について評価した。血管造影は左頸動脈を20Gのサーフロー針でアクセスルートを確保、続いてX線透視下に1.7Frマイクロカテーテル0.014inchのマイクロガイドワイヤーを用いて腹腔動脈を選択、血管造影および血管造影下CTを行い、腫瘍への血流分布を確認した。続いて開腹を行い、腫瘍を露出させた状態で腹腔動脈から色素(ジアグノグリーン)注入を行い、直視下に腫瘍の染まりを確認して腹腔動脈からの血流分布を確認した。 作成された膵腫瘍に対してイリノテカン(40mg/kg)および SN-38(30mg/kg )をそれぞれ腹腔動脈からの動注を行い、その後動物を犠牲死させ、末梢血、腫瘍、膵臓、十二指腸を検体として摘出、組織内の薬物濃度(イリノテカン、free SN-38、total SN-38)について測定し、検討していく予定である。
動注後の組織摘出を先行して5分後(イリノテカン2匹、SN-38 2匹)、4時間後(SN-38 2匹)、6時間後(2匹)で行い、薬剤の組織内濃度を確認して、適切な組織摘出の時間を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
スケジュールが組みにくく、期間延長申請を行ったが、研究の現況では、安定した膵腫瘍モデルの作成が可能となっている。すでに動注での実験を行なっており、組織内濃度の結果も得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
イリノテカン、SN-38動注をそれぞれ5分後、6時間後、24時間後に組織摘出を3匹ずつ、合計18匹について行う予定である。現在は13匹について検体を作成済みである。
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Causes of Carryover |
期間延長した次年度はイリノテカンとSN-38動注療法のデータをさらに蓄積させ、濃度計測、解析、統計処理を行っていく。翌年度分として請求した助成金と合わせてこれらに充てる。
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