2018 Fiscal Year Research-status Report
高リスク前立腺癌に対する手術療法と高線量率組織内照射に関する前向き研究
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18K07642
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
小山 政史 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70276351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西本 紘嗣郎 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (00365363)
城武 卓 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (10528805)
加藤 真吾 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (00370875)
荒木 隆一郎 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (00168006)
小坂 威雄 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30445407)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高リスク前立腺癌 / 根治的前立腺全摘術 / 高線量率組織内放射線照射 |
Outline of Annual Research Achievements |
限局性前立腺癌において、低、中リスク群の予後は良好であるが、高リスク群は局所再発や遠隔転移を来しやすい。本研究は、高リスク前立腺癌に対する標準治療である手術療法(根治的前立腺全摘術: Radical Prostatectomy, 以下RP)および放射線療法(高線量率組織内照射療法: High Dose Rate brachytherapy, 以下HDR)の治療成績を後方視的に検討し、得られた結果を用いて、RPとHDRの治療成績を前向きに比較検討する事を目的としている。 予備的に行ったRPとHDRの治療成績に関する後方視的研究からは、HDRはRPと同等の治療成績を有し、さらには、診断時の前立腺特異抗原(Prostate Specific Antigen: PSA)が50 ng/ml未満の症例では、長期間のアンドロゲン遮断療法 (Androgen Deprivation Therapy: ADT) の併用は有効性に乏しいことが示唆された。この結果は論文化された後(Shirotake. S et al. Jpn J Clin Oncol. 2018)、国際学会(16th Urological Association of Asia, 2018)で発表され、 いずれにおいても高い評価を得た。 これらから、PSA<50 ng/mlの限局性高リスク前立腺癌症例を対象とし、いずれの群においても6カ月のADTを併用し、対象症例の希望に従いRPまたはHDRによる治療を行うこととした。治療後は定期的なフォローアップを行う。それぞれの治療において、50例ずつの登録を目標としているが、当該年度の登録は1症例のみであった。現在、当該症例はHDRによる治療を終了し、フォローアップを施行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(1)症例の選別に際し、合併症や初診時血液検査による除外基準を設けた。施設の特性上、多くの合併症を有する症例が多いことから、除外基準に抵触する症例が多い。 (2)RP群における生検検体と摘出検体の比較のために対象を当院で前立腺生検を実施した症例に限定した。他院で前立腺癌と診断された後紹介受診する症例が多く、それらの症例が本研究の対象になっていない。
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Strategy for Future Research Activity |
進捗の遅れの原因と考えられる要素に対し、以下の通り改善策を講じ、より多くの症例登録を目指す。 理由(1)に対しては、除外基準の見直しを検討する。例えば、高血圧や糖尿病、心疾患等の有病率の高い疾患については、基準を緩和する。 理由(2)に対しては、針生検検体を提供できる場合は他院で診断された症例も対象とする。 さらに、前立腺癌または疑いの紹介症例に特化した外来枠を設け、候補症例のスクリーニングを強化する。
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Causes of Carryover |
臨床研究の組み入れ患者が少なく、資材の購入やその後の実験まで進まない状況であったため、研究資金を使用しないこととなった。今後、研究計画の見直しにより研究を進める予定であるため、本年度の残金を次年度に組み入れて使用する。
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