2019 Fiscal Year Research-status Report
ニューラルネットワークを用いた前立腺癌小線源治療の予後予測モデルの構築
Project/Area Number |
18K07644
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
白石 悠 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (00445339)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / 小線源治療 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
前立腺癌小線源治療に関する臨床データ、dose-volumeデータ、生物学的データをニューラルネットワークの手法を用いて統合分析し、有害事象および生化学的(あるいは病理学的)再発を予測するモデルを構築することを目指し、研究を開始した。 令和元年度は、小線源治療後の晩期有害事象、特に直腸出血の予測モデル構築に着手した。当初の研究計画では、予測モデルとしてニューラルネットワークを用いたモデル構築を想定していたが、より精度の高い予測モデルを構築するため、ニューラルネットワークに限らず、他の機械学習手法(サポートベクターマシンやランダムフォレストなど)も同時に比較検討した。その結果、機械学習を用いた直腸出血の予測モデルは、従来有用と考えられてきた直腸出血の予測因子よりも高い予測精度を示すことがわかった。また、機械学習手法間の予測精度の差異についても比較検討を行った。以上の成果について、日本放射線腫瘍学会の学術大会で発表を行った。 また、精度の高い予測モデルを構築するために、質の良いデータベースの構築が必須である。特に、予測モデルを構築するための訓練データとは別に予測モデルを検証するためのテストデータも使えると理想的であるため、訓練データとは全く別の前立腺癌小線源治療患者のコホートを用いたテストデータの蓄積に着手している。訓練データとは全く別のコホートを用いたテストデータでモデルを検証することでモデルの信頼性・汎用性が高まることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小線源治療後の晩期有害事象、直腸出血の予測モデルを構築し、学会で成果を発表した。当初の研究計画では、予測モデルとしてニューラルネットワークを用いたモデル構築を想定していたが、より精度の高い予測モデルを構築するため、ニューラルネットワークに限らず、他の機械学習手法(サポートベクターマシンやランダムフォレストなど)も同時に比較検討を始めた。また、訓練データとは全く別の前立腺癌小線源治療患者のコホートを用いたテストデータの蓄積に着手している。
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Strategy for Future Research Activity |
直腸出血を予測するモデルを構築した経験を活かし、小線源治療後の他の有害事象や、生化学的再発あるいは臨床的再発部位を予測するモデルを構築していく。再発時の病理結果をモデルに組み込むことで、生化学的再発だけでなく、病理学的再発や、再発と紛らわしいPSA bounceの予測モデル構築にもチャレンジできると考えている。訓練データ・テストデータの量が大きくなり計算に時間がかかることも予想される。その場合には適宜新たなコンピュータの導入を検討していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症流行のため、予定していた学会に参加できなかったため。2020年度は複数の学会で成果発表を予定しており、学会参加費や旅費としての使用を計画している。ただし、学会参加が引き続き困難な可能性もあるため、論文作成支援のためのソフトウェア購入も検討中である。
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