2020 Fiscal Year Research-status Report
Difference of natural history between sporadic, TSC-related, and LAM-related AML.
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18K07645
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
桑鶴 良平 順天堂大学, 医学部, 教授 (40225313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 仁美 順天堂大学, 医学部, 助教 (10621732)
岡田 慎悟 順天堂大学, 医学部, 助教 (30773303)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 腎血管筋脂肪腫 / 散発性 / リンパ脈管筋腫症合併 / 結節性硬化症合併 / 腎機能 / 増大速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
当院に通院履歴のある腎血管筋脂肪腫、リンパ脈管筋腫症、結節性硬化症の病名がついている症例を電子カルテから抽出した。更に上記の症例の電子カルテの内容を症例ごとに調査し、対象例の中から当院に5年以上通院し画像検査と腎機能検査を施行している症例に加え、画像検査については他院で施行した画像検査を含めて5年以上経過観察可能な症例を追加した。経時的な画像検査としてはCTもしくはMRIを、腎機能検査は血清クレアチニン値とeGFR値を実施している症例を選出した。これらを【1】散発性腎血管筋脂肪腫、【2】リンパ脈管筋腫症合併腎血管筋脂肪腫、【3】結節性硬化症合併腎血管筋脂肪腫、【4】リンパ脈管筋腫症および結節性硬化症合併腎血管筋脂肪腫の4グループに分け、各グループで以下の4条件でデータ抽出を行った。 1)画像検査(CT、MRI)による腫瘍の大きさと増大速度 2)腫瘍内動脈瘤の有無、動脈瘤が存在する場合はその数 3)腫瘍破裂の有無と破裂時期 4)血中クレアチニン、eGFR値による腎機能障害の推移について 結論としては、結節性硬化症グループの腎血管筋脂肪腫において、他のグループと比較して経時的な腫瘍の増大、増加傾向が強く、腫瘍内動脈瘤も増大傾向にあるが、症例数が十分でないため統計学的有意差は認めていない。腎機能の経時的変化についても結節性硬化症のグループでは、経時的に腎機能が悪化する傾向を認めた。本研究により、3グループ間の違いを有意差をもって捉えることはできなかったが、傾向は把握できた。本研究は現在も症例を蓄積しており、今後形態上も腎機能もリンパ脈管筋腫症に併発する腎血管筋脂肪腫や散発性腎血管筋脂肪腫のグループとの有意差が出る可能性が高いと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【研究実績の概要】でも述べた通り、結節性硬化症グループに加えてリンパ脈管筋腫症グループ、散発性腎血管筋脂肪腫症グループで経時的な腫瘍の増大傾向の有無、腫瘍内動脈瘤の有無とその増大傾向、破裂の既往の有無について検討を行っている。昨年度は新型コロナウイルス感染症により研究補助員によるデータ集積が滞ったが、現在は200例を超える症例のデータを収集中で、体積等の解析も行っている。今後も画像検査が予定されている症例については、対象症例に追加し最終的にはそれぞれのグループ間での違いについて検討していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
散発性腎血管筋脂肪腫グループとリンパ脈管筋腫症グループおよび結節性硬化症グループの症例は経時的に増加しており、腫瘍の増大傾向については得られた画像から画像解析ソフトを用いて体積測定を行い、腎機能の推移についても症例を追加して、経時的変化を観察し、各グループ間の比較検討を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大により、研究補助員によるデータ入力が滞ったため、また予定していた国際学会への参加を中止したため次年度使用額が生じた。次年度では、データ抽出および資料作成のため、研究補助員の人件費として使用する計画である。
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