2019 Fiscal Year Research-status Report
肺換気能のマッピングによる可視化と定量化を可能とする検査の開発
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18K07649
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
本多 満 東邦大学, 医学部, 教授 (40190269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一林 亮 東邦大学, 医学部, 助教 (80439934)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肺マップ画像 / 時定数 / 肺機能定量化 / キセノンガス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の背景として、わが国において高齢化社会の進行とともにCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などの呼吸器疾患の罹患率が上昇しており、症状が出現する前から呼吸機能の低下を検出することが今後必要とされ、肺の局所的、定量的評価を行える検査の開発が急がれている。また、本年より流行している新型コロナ感染症による肺炎の後遺症としての呼吸機能低下を空間的にかつ定量的に評価することも必要になってくると思われる。 本研究の目的は、現在の肺機能の評価の際に肺全体の評価とならざるをえないスパイロメトリーによる評価ではなく、肺換気マッピング画像および速度定数による定量化を可能にすることを目的としている。キセノンガスを吸入することにより、4回のCT撮影によるハンスフィールド値の経時変化を指数関数でフィッティングし、肺野の画素数毎の速度定数を得ることが出来これが、肺の換気状態をあらわす。このソフトを安西メディカル株式会社と共同開発した。 今年度の計画ではこのソフトを使用して健常人の肺マップ画像を、収集したデータをもとに解析を行い、マップ画像作成を冠状断において作成することを可能とした。これにより、肺の換気能の局所的評価を可能にすることに目途が立った。また、このマッピング画像の濃淡により定性的な判断は可能であるが、計画としては定量化することを可能とした。 マップ画像に関しては、冠状断において腹側よりも背側において換気能が大きい傾向であることが示唆された。しかし、その定量化においては現在までに収集した被験者の数が少なく、まだ正常値を決定することは出来ていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年より新型コロナ感染症がわが国においても蔓延しており、医療機関では通常の診療に大きな制限が設けられている。本研究は付属病院でのCT検査を使用する必要があり、健常人に対する検査によりデータ収集を行い、それを解析する研究であり現在中断している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、通常診療になった場合に研究を再開して健常人からの呼吸機能評価を行うためのデータを収集して健常人の肺換気マッピング画像の確立、および速度定数を求めて定量化による正常値を決定することを迅速に行う予定である。
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Causes of Carryover |
本年度の4月から12月にかけて、今までのデータ解析とデータを検討するのに時間を要してしまい、追加検査を開始するのが遅れてしまった。また、年明け2月頃より検査を開始する予定であったが、新型コロナ感染症の影響で検査が開始できず、本来使用するはずであった検査時に使用するキセノンガスカートリッジおよび被験者への謝金、データ解析する際の解析料が研究費として使用できなかった。 次年度は、キセノンガスカートリッジを購入して検査を行い、被験者への謝金、データ解析費用に支出を行い、次年度後半には学会発表および論文作成のために研究費を使用する予定である。
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