2019 Fiscal Year Research-status Report
The evaluation of relationship between periodontitis and cerebral amyloid-beta accumulation
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18K07659
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Research Institution | Research Institute, Shiga Medical Center |
Principal Investigator |
奥山 智緒 滋賀県立総合病院(研究所), 画像研究部門, 専門研究員 (40347464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加川 信也 滋賀県立総合病院(研究所), 画像研究部門, 主任研究員 (10393191)
東 達也 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 分子イメージング診断治療研究部, 部長(定常) (50324629)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 慢性歯周炎 / アミロイド / PET / 歯周炎菌 / F-18 FPYBF2 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年、2019年度に合計38例の被験者(男性22例、女性16例、37-69歳、平均53.7±9.2歳)に対して検査を施行した。歯周病の内訳は 正常歯肉症例9例(Ⅰ群)、歯肉炎~軽度歯周炎14例(Ⅱ群)、中等度以上の歯周炎15例(Ⅲ群)、MMSEは平均28.9点であった。歯周炎菌はP.gingivalis(PG), T.forsythensis(TF), T.denticola(TD), A.actinomycetemcomitans(A.A.)の陽性例がそれぞれ、7、17、12、1例で、20例で最低1種類の菌が陽性であった。 視覚的に大脳皮質への異常なF-18-FPYBF2の異常集積を認めた症例はⅠ群に属する1例のみ(右後頭葉に限局性集積)であり、そのほかには、有意と考えるアミロイド沈着を呈する症例は見られなかった。小脳皮質のトレーサ集積に対する相対的な皮質の領域ごとの集積(SUVR)を算出し、皮質のSUVRの平均値(mean cortical index:MCI)はⅠ,Ⅱ,Ⅲ群:1.09±0.03, 1.10±0.05, 1.10±0.06と3群間に有意差は認められなかった。歯周炎菌の陽性群と、陰性群の間にも有意差は認められなかったが、MCI>1.13を呈した5例はⅡ群2例、Ⅲ群3例と、歯周炎陽性例であった。 部位別SUVRの歯周炎菌別検討においては、中心前回で各菌陽性群は集積が高い傾向にあり、PG陽性群は有意に陰性群よりも高値を呈した(p<0.05)、前頭葉眼窩回部においては、各菌陽性群が陰性群よりも低く、TF,TDで有意な結果であった。下前頭回ではPG陽性群が陰性群よりも低値であった。側頭葉においては、そのほかの領域においては、各菌陽性群のほうが陰性群よりも低値の傾向があり、TG,TDにおいて有意であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コントロールとする正常歯肉症例や、軽症歯周炎患者の数に比べて、中等度以上の歯周炎患者の数が少不足している。 中等度以上の歯周炎患者の被検者の数を2020年から増加する予定で進めていたが、新型コロナウイルス対策のため、当院における診療体制の制限などもあり、本研究のための歯科スケーリングを含む研究のための検査を一時制限せざるを得なかったた。 そのため、現時点では、当初の目的である歯周炎菌とアミロイド沈着の関係を解析するために十分といえる歯周炎患者の数には達していない。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点までの結果では、30-60歳台の認知機能正常患者において、歯周炎や歯周炎菌の存在がアミロイド沈着を促進させるという結論は見いだせていない。一方で、MCIが相対的に高知を呈した症例は、歯周炎陽性例であったこと、部位別解析においては、菌陽性例でSUVRの高い部位や、逆に低い部位なども検出されていることなども踏まえ、さらに歯周炎症例を追加した検討が必要と考えられる。 被検者の十分な確保のために、30から60歳台という当初の予定を少し変更し、対象被検者を75歳までの認知機能健常者に広げて、中等度以上の歯周炎患者、歯周炎菌陽性患者の検査を増加させる予定である。
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Causes of Carryover |
歯科最近検体検査を行うための機器を想定して物品費として計上していた歯科検査費については、その都度外注検査として行うことが可能であり、その他項目に計上される状況となった。 そのため、次年度検査分は、次年度の外注検査に回す必要が生じている。
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Research Products
(8 results)