2020 Fiscal Year Research-status Report
The evaluation of relationship between periodontitis and cerebral amyloid-beta accumulation
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18K07659
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Research Institution | Research Institute, Shiga Medical Center |
Principal Investigator |
奥山 智緒 滋賀県立総合病院(研究所), 画像研究部門, 専門研究員 (40347464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加川 信也 滋賀県立総合病院(研究所), 画像研究部門, 主任研究員 (10393191)
東 達也 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 分子イメージング診断治療研究部, 部長(定常) (50324629)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 慢性歯周炎 / アミロイド / PET / 歯周炎菌 / F-18 FPYBF2 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度前半は、研究を行うための検体検査方法の選択や、歯科検査方法についての検討を行い、2018年7月に倫理委員会の承認を得たのち、2018年度後半より、歯周炎患者における検査を開始し、これまでに 合計41名の検査を施行した。これまでに施行した症例は、30-60歳台の男性18例、女性23例で、平均年齢 54.0±9.0歳、Mini-mental scale examinationは24点から30点で(平均28.9点±1.5点、減点のほとんどは serial 7であり、臨床的に認知症を疑う症例はなかった。歯科口腔検査では、中等度以上の歯周炎18例、軽度の歯周炎~歯肉炎14例、健常例9例であった。 歯周炎症例では治療後症例を除き歯周ポケットからさまざまの歯周炎菌(P.gingivalis-9、T.forsythensis-22、T.denticola-17、A.actinomycetemcomitans-3)が確認された。 FPYBF2-PETによるアミロイド蓄積の評価方法については、従来の自動ROI解析方法の弱点(自動ROIに骨を含むことによる不安定性)が見つかったためROIの取り方の修正を行うとともに、ROIによる定量解析とは異なる判定方法を新たに考案し、その妥当性についてアミロイドPETを過去に行った認知症症例、正常症例を用いて解析し有用性、および汎用性を確認中である。 群間有意差は認められていないが、健常者1名で、後頭葉に有意なアミロイド沈着を認める症例があった。歯周炎患者においては、前頭葉眼窩回付近で、軽度集積亢進の見られる症例が数例認められているが、個々の歯周炎菌との関係性については有意差は現在検出できていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、健常者、軽度歯周炎患者と、高度慢性歯周炎の患者に対する 歯周ポケットからの検体提出を伴う検査が必要としている。現時点で健常者や軽度歯周炎患者については予定していた数の被検者のデータを得ることができているが、高度歯周炎患者のリクルートが予定していた件数に満たず遅れている。昨年度は特に高度歯周炎患者を重点的に集める予定をしていたが、新型コロナウイルス感染症の広がりにより、口腔内の検体をとるための検討を行いづらい状況が続いたために、解析に十分な症例数を確保できていない状況である。 これまでのデータ解析の中で、有意なアミロイド沈着を呈する症例は認められず、さらに症例数を増やした部位ごとの微細な比較検討が必要と考えている。 一方、アミロイドPETの定量評価として、標準脳を用いた自動ROI解析を用いた解析を進める中で、当方における視覚評価との比較において、標準脳テンプレートを用いることの限界や問題点が抽出されてきた。自動ROIを用いないアミロイドPETの新たな定量・定性評価法を模索し見いだしたため、さらに今後新しい研究として発展させる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに、高度歯周炎患者のリクルートを進め件数を増やし、歯周炎菌とアミロイド沈着の関係の検討を進める予定である。 コロナウイルス感染症蔓延下におけるリクルート件数以外には、差し当たって特に研究遂行に際しての課題はないが、研究代表者の施設のみでの被検者の確保に限界があるため、さらに、歯周炎患者の件数を増やすために近隣施設との連携をとる予定である。 また、新規に見いだしたアミロイドPETの定量・定性評価法については、令和3年度からの新たな別の課題として採択された研究(基盤(C)21K07635 研究課題名『各種アミロイドPET製剤に汎用性のある客観的解析法の開発』)にて展開させる。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症の蔓延により、出張予定の学会がWeb開催となり旅費の出費が無かったことに加え、研究協力患者のリクルートが困難であり、研究を次年度まで延長する必要ができたため、残金を次年度使用のために繰り越すこととする。
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Research Products
(1 results)