2020 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of an MRI-based screening technique for early-stage hepatocellular carcinoma in patients with advanced liver disease
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18K07669
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小林 聡 金沢大学, 保健学系, 教授 (30313638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 哲弥 金沢医科大学, 医学部, 教授 (60436813)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Gd-EOB-DTPA / 早期肝細胞癌 / 進行肝臓病 / ラット / TSM |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はラットEOB投与に伴う呼吸変動の検討を行った。 まず、EOB注入部位の違いとして、下大静脈と上行大動脈に挿入したカテーテルからEOBを注入してそれぞれTSMの出現時期を検討したところ、下大静脈注入と比較して上行大動脈注入を行った場合にTSMの発生開始時間が早いことが判明した。さらに、EOBと同時にアルブミンを投与した場合、アルブミン投与がない場合と比較してTSMの頻度・程度が少ないことが判明した。 EOB注入場所の違いによりTSM発生開始時間の差異が生じたことの理由として、いくつかの可能性が考えられる。具体的には上行大動脈注入の場合にはEOBはファーストパスで肺の毛細血管を通らない(肺への到達が遅い)、また、上行大動脈注入のほうがEOBは脳へ早く到達する、などの違いが挙げられる。TSMの出現機序がEOBの肺への直接作用だとすると下大静脈注入に比べ上行大動脈注入のほうが肺へのEOB到達が遅いので今回の結果とは逆に上行大動脈注入のほうがTSM発生が遅く(弱く)なるのではないかと推測される。従って、上行大動脈注入のほうが下大静脈注入より早くTSMが生じた理由としてEOBが脳に到達する時間がより早いためである可能性が示唆される。 ここで、TSMの発生頻度が高いEOBと、TSMの発生頻度が低いGdとの違いは脂溶性の側鎖の存在であるが、脂溶性薬剤の血液脳関門通過にはアルブミンの濃度が関係するとされている。具体的には血清アルブミンの低値は脂溶性薬剤の血液脳関門通過を促進し、脂溶性薬剤の作用増強につながることが知られている。EOBと同時にアルブミンを投与した場合TSMの発生が低減したことからもEOB投与によるTSM発生はEOBが中枢神経系に直接作用して生じる可能性が高いと考えられた。
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Research Products
(3 results)