2019 Fiscal Year Research-status Report
動脈磁気標識法(ASL)による新たなMRI脳機能画像の開発と臨床応用
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18K07670
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
木村 浩彦 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (10242596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 康博 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (90422675)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Arterial Spin Labeling / MRI / Brain perfusion / CBF / CBV |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年までの成果として、DANTE法による血管内信号抑制は、従来のMSDE法より均一なASL信号の低減に成功した。この論文(Matsuda, T., et. al. (2018). MRI, 49: 131-137)の結果をうけて、今年度は血流ファントム、正常人でのDANTE法の基礎的検討を行い、臨床応用のための最適パラメタの決定をおこない、結果を論文に報告できた(Fujiwara, Y., et al. (2019). MAGMA)。また、限られた臨床検査時間内に十分なS/Nを得るため3delayのHadamard encodeと4秒LD、3秒PLD収集との組み合わせでスピン到達時間(ATT)の補正が比較的簡便にできることを確認した。これを基礎として、シムレーションと正常人を対象に到達時間とCBF計測が比較的精度よく臨床応用可能な時間でできることを確認し,国際学会に報告した(Ishida S, et.al. ISMRM 27th, May 2019, Montréal, QC, Canada)。この結果は現在雑誌に投稿中である。さらに、CBF, CBV, 到達時間同時計測モデルを用い、moyamoya病の主幹動脈狭窄患者(N=7)に応用し、定量的PET-CBFの値との対比について、国際学会にて報告した(Kimura H, et.al., ISMRM 27th, May 2019, Montréal, QC, Canada)。現在さらに症例を集め検討を進めている。ASL潅流画像の変性疾患への応用も論文としてまとめることができた(Ikawa, M., et al. (2018). J Neurol Sci 394: 58-62.)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
血流ファントムや正常人での基礎的検討が順調に推移しており、結果を国際学会等に複数報告し、CBF, CBV, ATTの同時計算のためのあらたなASL信号モデルの提案もできた。これを基礎に臨床応用が可能なことが確認できている。現在、これまでの基礎的検討のまとめと臨床応用のデータのまとめの段階にある。今後、さらに臨床応用としてmoyamoya病患者でのデータ収集を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでの臨床応用をさらに進めるとともに、新たなASLパラメタ(流速)に関連したマッピングの検討をさらに進める。従来の方法と対比し、メリット、デメリットを明らかとする予定である。また、PET/MRIでの撮像データに焦点をあて、ASL-CBFとの特性の違いを詳細に明らかとすることにも焦点をあてる。もし、この新たな方法でのマッピングが可能となると、moyamoya病や慢性閉塞性CVDでのスピン到達時間の問題から解放されることになり、さらなる応用範囲を広げることになる。
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