2019 Fiscal Year Research-status Report
α線放出核種At-211の定位的脳内注入による難治性てんかんの治療
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18K07674
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加藤 弘樹 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (20448054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑澤 順 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (70198745)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アスタチン / 脳 / ヨウ素 / SPECT |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、正常な脳組織が、α核種astatineから受ける影響に関して評価を行ったが、正常ラットの状態、体重などの変化、認知機能の変化、脳糖代謝の有意な変化に関しては、有意な変化を認めなかった。今年度はastatine注入後の全身分布の評価を行った。その結果、注入後1時間から2時間程度でastatineが全身に拡散することが明らかになった。脳内でのアルファ線照射効率を上げるために、astatineでナノ粒子を標識することとした。SPECTイメージングによる評価のため、I-123でナノ粒子を標識し注入したところ、全身への拡散は抑制された。しかし、その後SPECTによる画像的評価を行った結果、甲状腺、胃、膀胱などの臓器に放射能の分布が計測された。これらの臓器にはハロゲン族のトレーサは生理的に分布しやすいことから、I-123がナノ粒子より一部解離し、ヨウ素イオンが多臓器に分布していると推定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アスタチンの脳内の滞留時間が短く、神経へのアルファ線の影響は限定的であった。従ってその対策を行う必要が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、アスタチンを粒子に安定的に結合し、注入後組織に滞留させる方法を考案し、イメージングによって、それを確認する。
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Causes of Carryover |
今年度は進捗に当初計画よりやや遅れがあったため、物品等の購入がやや少なかった。次年度はこれを必要物品などの購入に充当する予定である。
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Research Products
(4 results)